インテルは2019年4月9日、Xeon CPUの新世代版「第2世代Xeonスケーラブル・プロセッサー」や、NVDIMM(DIMM型の不揮発性メモリー)の「Optane DCパーシステント・メモリー」などの新製品群を、国内で正式に発表した。同日から順次提供を開始した。いずれの製品も、2019年4月2日に米国で開催したイベント「Data-Centric Innovation Day」で発表したものである。
インテルは、国内で説明会を開き、新世代のXeon CPUやNVDIMMなどの新製品群を正式に発表した。これまでもコードネームや技術的な概要などを説明してきたが、今回正式に新製品として発表し、提供を開始した。全部で7つの新製品を発表した。2つのCPU、1つのFPGA、3つの不揮発性メモリー型ストレージ、1つのNIC(ネットワークカード)である。
同日提供を開始した製品の1つが、第2世代Xeonスケーラブルプロセッサーである(写真1)。最大56コアで、最大8ソケットまで拡張できる。DRAMの代わりにNVDIMMを使うことによって、1ソケットあたり4.5TB以上のメモリー空間を利用できる。ディープラーニングの推論を高速化するアクセラレータ機能「ディープラーニング・ブースト」の性能も高めた。
![写真1:第2世代Xeonスケーラブル・プロセッサーを手に取る、米Intelで副社長兼データセンター事業本部クラウド・プrットフォーム&テクノロジー事業部長を務めるJason L.Grebe(ジェイソンL・グリーブ)氏](/mwimgs/7/1/400/img_714bda62be8eed9e56c631c222a185e5261932.jpg)
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ディープラーニング・ブーストは、ディープラーニングによる学習によって生成したモデルを使ってデータの判定などを実行する推論処理のためのアクセラレータである(関連記事:不揮発性メモリ、フォトニクス、AIアクセラレータ―インテル、データセントリック技術の取り組みを紹介)。推論処理をハードウェアによって高速化する。学習済みモデルを実装したエッジコンピュータなどに適する。2017年7月時点のXeonに比べ、2019年4月時点で14倍に、今回の新世代Xeonではさらに2倍に高速化したとしている(図1)。
![図1:ディープラーニングの推論処理を高速化するアクセラレータ機能を高速化した(出典:インテル)](/mwimgs/8/6/600/img_862b267bc4d94d0dfcad6696e2f247cd272206.jpg)
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第2世代Xeonスケーラブルプロセッサーと組み合わせて利用できるNVDIMMの新製品、Optane DCパーシステント・メモリーも同日提供を開始した(関連記事:インテル、「Optane DC Persistent Memory」を発表─“ポストムーア”の新メモリアーキテクチャ)。
メインメモリーとして一般的に使われるDRAMと同様に、メモリーチャネルとDIMMソケットを介してアクセスできる不揮発性メモリーである。DRAMよりも容量単価が安く、他の不揮発性メモリーよりも高速にアクセスできる。現状のDRAMでは実現できない大容量のメモリー空間(8ソケットサーバーで最大36TB)も利用できる(図2)。
![図2:Optane DCパーシステント・メモリーの出荷を開始した。DRAMよりも大容量のメモリー空間を運用できるほか、DRAMよりも安価に高速ストレージを実現できる(出典:インテル)](/mwimgs/0/0/600/img_00928c0a90dbdc831da54200c1c3f3c9273004.jpg)
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この他の新製品としては、NFV(仮想アプライアンス型のネットワーク装置)やソフトウェア定義型ストレージなどに向けて、SoC(システムオンチップ)のデザインによって消費電力を抑えたXeonプロセッサ製品「Xeon D-1600プロセッサー」を用意し、提供を開始した。また、2019年第3四半期にはNICの新製品「Ethernet 800シリーズ」を出荷し、2019年後半にはFPGAの新製品「Agilex FPGAファミリー」のサンプル出荷を開始する。