[市場動向]

富士通ほか、データ活用を促進する標準インタフェース「NGSI」を実証、4社の基盤を相互接続

2019年4月22日(月)IT Leaders編集部

官民データ活用共通プラットフォーム協議会(DPC)は、日本政府の重要施策である官民データ活用を促進するため、ネットワークAPIの標準規格である「Next Generation Service Interfaces(NGSI)」を介して、富士通を含む協議会参加各社のプラットフォームを相互接続する実証を2019年2月4日から同年3月29日まで実施した。富士通が同年4月19日に発表した。

 発表した実証では、DPC内のプラットフォーム接続実証委員会の委員長を務める富士通、および委員会メンバーの NEC、日鉄ソリューションズ、TISの4社が、NGSIを介して各々が提供しているプラットフォームを接続し、データ連携が可能なことを確認した(図1)。

図1:実証の概要図(出典:富士通)図1:実証の概要図(出典:富士通)
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 日本政府は、国や地方公共団体、事業者が保有する複数分野の官民データの適正かつ効果的な活用の推進に関して基本理念を定めた「官民データ活用推進基本法」を平成28年12月に施行したのち、平成29年5月には官民データ活用推進の基本計画として「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」を閣議決定するなど、官民データの利活用が可能な社会の実現に向けて取り組みを強化している。現在、各都道府県は、世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画に基づき、2020年度末までに、各々の「官民データ活用推進基本計画」を策定することが義務付けられている。

 官民データ活用は、社会問題解決や経済活性化のために国が推進している重要施策の1つであり、共通的なデータ利活用基盤を整備して、社会実装を進めることが重要となる。そこで、低コストで相互連携や横展開が可能な官民データ活用基盤を実現し、国内外での横展開を可能にしていくため、平成30年6月に民間組織としてDPCが設立された。DPCでは、各社のプラットフォーム間を相互接続するための共通的なインターフェースとして「NGSI」の活用を検討してきた。なお、富士通はDPCにおいて理事会員として、プラットフォーム接続実証委員会を担当している。

 今回の実証の目的は、NGSIを用いて民間各社が提供している様々なプラットフォームを相互接続し、データの送受信を確認する実証を行って、課題を整理することであった。

 実証では、DPCが用意するプラットフォーム接続実証におけるテスト環境上で、各社が有するアプリケーションやプラットフォームなどを共通インターフェースであるNGSIを介して相互接続し、データの送受信が行えることを確認した。これにより、各社で仕様が異なるプラットフォームを相互接続し、より多くのデータを利活用することが可能になる。

 富士通は今後、データ利活用型のスマートシティを見据え、NGSIと富士通のプラットフォームの接続実証を通じて、ほかの様々なプラットフォームやシステムとの相互接続性を確保・拡大する。そして、防災やエネルギー、交通、医療など様々なサービスの社会実装を推進していく考えだ。

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