米オラクル(Oracle)は2019年6月12日(米国現地時間)、データベースサーバー専用機の新版で第9世代にあたる「Oracle Exadata Database Machine X8」を発表した。新版では、ストレージ性能を高めたほか、マシンラーニング(機械学習)を用いたチューニングなどデータベースを自律的に運用する機能群を追加した。日本オラクルが同年6月13日に国内で発表した。
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オラクルの「Oracle Exadata」は、大容量データを高速に検索する用途に適したデータベースサーバー専用機である。最大の特徴は、ストレージからデータベースサーバーへのデータ転送量を削減するアーキテクチャによって処理を高速化していること。SQLクエリーを受け付けるフロントのDBサーバークラスタの背後に、検索機能を自前で備えたストレージユニット群を配備し、検索処理を分散する(写真1、関連記事:日本オラクル、DBサーバー専用機の新世代「Oracle Exadata X7」を発表)。
新版のOracle Exadata X8では、マシンラーニングを用いてデータベースを自律的にチューニングする「Automatic Indexing」機能を追加した。使用パターンの変化を継続的に学習し、これに応じてデータベースをチューニングする。さらに、パフォーマンス監視も自動化している。性能面の問題を自動で識別し、人による操作を必要とせずに根本原因を特定するとしている。
Oracle Exadata X8では、ハードウェアも強化した。最新のIntel XeonプロセッサとPCI Express接続のNVMeフラッシュストレージを採用した。前世代機「Oracle Exadata X7」と比べて、オールフラッシュストレージのI/Oスループットは60%、ストレージサーバーあたりのIOPSは25%向上した。
ストレージサーバーは、価格据え置きのまま、CPUのコア数を60%増やしたほか、ストレージ容量を40%増やした。また、アクセス頻度が少ないデータを保存する目的のために、より安価な拡張ストレージサーバーも用意した。
同時に、Oracle Databaseのトランザクションログ(REDOログ)をリアルタイムにバックアップするアプライアンスサーバー機の新版「Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance X8」も発表した。更新系のトランザクションが発生する度に、メモリー上にあるトランザクションログ(REDOログ)をRecovery Applianceに転送し、REDOログのまま保存する仕組み。新版では、価格据え置きで30%増量(1ラックあたり約1PB)した。