NTTデータは、同社が販売するRPAツール「WinActor」について、決済機能付きのマーケットプレイスを2019年10月にスタートすることを明らかにした。まずはOCRやスキャナーなどニーズの高い10前後の製品・サービスから提供を始めるとしている。
WinActorは、NTT研究所が開発した純国産のRPAツール。NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)が業務自動化ツールとして製品化したものを、NTTデータがRPAツールとして販売した。RPA BANKが2018年11月に実施した「RPA利用実態アンケート調査」調査では、WinActorが国内最多のユーザー数となっている。
NTTデータでは、2018年7月からマーケットプレイスを運用し、シナリオおよびライブラリを提供している。シナリオは、RPAを使って業務を自動化するための手順。例えば、「複数の明細の金額をOCRで読み取り、売上管理システムに入力する」という作業をRPAツールが実行するための一連の動作が記されている。シナリオに沿って自動化するには、RPA以外のツールも必要となる。それをライブラリとして用意している。例えば上記のシナリオではOCRライブラリが必要となる。
現行のマーケットプレイスでは、シナリオおよびライブラリはカタログとして提供されている。実際に購入する際には、問い合わせフォームから連絡を取ってNTTデータの担当者と商談を進める必要がある。
2019年10月よりスタートする新マーケットプレイスには、決済システムが備わる。ユーザーが必要な製品の選択から購入手続き、支払い手続きまでをワンストップで行えるようになる。「国内のRPAマーケットプレイスで、決済機能を備えるのは初めて」(NTTデータ)だとしている。
同社によると、マーケットプレイスで提供される機能は、当初は10サービス程度。OCRやスキャナーなどユーザーニーズの高いサービスを用意する。これらの製品は、主にWinActorの特約店が開発した、サードパーティ製品になる予定だという。
全国に約350社あるという特約店の多くは、ソフトウェア会社が占めている。RPAをより便利に使うためのツールを自社開発して、ソリューションとして提供している企業も多い。それらのツールを、より多くのユーザーが利用できるようにするためのプラットフォームとして、マーケットプレイスを活用する。
マーケットプレイスからは、ソフトウェアだけでなく、例えばRPA専用アプライアンスといったハードウェアや人的なサポートなども提供される予定。ユーザーは、ソフトウェアとそれに伴うサポートなど、必要な組み合わせを選択して、直接購入できるようになる。