[市場動向]

NTT西日本、グランフロント大阪でIoTを活用したスマートシティの実証実験

2019年8月5日(月)IT Leaders編集部

NTT西日本は2019年8月2日、アジア太平洋研究所(APIR)およびNECと共同で、グランフロント大阪で、IoT(モノのインターネット)を活用したスマートシティの実証実験を実施し、その効果を確認したと発表した。

 今後のスマートシティでは、様々な分野にまたがった複数のデータを組み合わせて利活用することで、より安全で効率的な都市を実現する。例えば、これまで個々に利用・管理してきたエリアの情報(道路などの社会インフラ、施設の利用状況など)や、人の状況(位置、人流、活動状況など)といった情報を組み合わせる。

図1:実証実験のイメージ(出典:NTT西日本)図1:実証実験のイメージ(出典:NTT西日本)
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 実証実験では、スマートシティを実現するため、これらのデータを収集・整理するデータの連携基盤「都市OS」(様々なデータや各種サービスのデータを集約し、利活用を促進する仕組み)を検証した(図1)。データ活用を実現するために必要な機能部の有用性の確認と、様々な分野のデータの組み合わせによって創造した価値を検証した。

 グランフロント大阪に約170台のセンサーカメラを設置し、「まちのセンシング」を実施した。人流や混雑度、音量、音質、温度情報などに加えて、空調機器やBEMS(ビルの機器・設備等の運転管理によってエネルギー消費量の削減を図るためのシステム)のビル管理情報など、複数のデータを都市OSに集約した。

 取得したデータの一部については、館内におけるレストランの混雑状況の表示サービス・トイレの満空状況の表示サービスとして、来街者へ提供した。

 システム面では、様々な分野のデータを都市OSへ集約をする「個別システム連携機能部」と、データの加工・可視化をする「データカタログ機能部」を実装した。これにより、様々なデータを都市OSに集約し、「データカタログ」として各種データの一覧表示(可視化)が可能になった。これらのカタログを閲覧することで、直観的に目的のデータを発見できる。各種のデータを一覧で比較できる。

 空調エネルギーの効率化を図った。複数のカメラ映像から収集した人物の位置推定データ、人流の予測データを分析し、空調エネルギー効率化に向けた検証を実施した。各種データを活用して空調関連機器の制御を行うシミュレーションにより、全体の一次エネルギー消費量の削減について一定の効果を期待できることを確認した。

 レストラン混雑度における相関分析も行った。レストランの混雑度や天候、入館者数のデータを組み合わせて、レストランの混雑に関するデータの相関分析を実施した。特定の曜日および時間帯において、リアルタイムの入館者数とレストラン混雑度について相関関係があることを確認した。将来的には、施設の運営管理情報や来街者の購買情報などを組み合わせることで、レストランフロアの混雑具合に合わせた対応が可能になる。

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