SCSKは2019年9月5日、ユーザー企業の現場業務を改善するサービス「働き方改革ラボ」を発表、同日提供を開始した。アセスメントを実施した上で、RPA(ロボットによる業務自動化)やAI-OCR(光学文字認識)、超高速開発といったツール群を適用して、現場の業務効率を高める。販売目標は、今後3年間で300社。
SCSKの「働き方改革ラボ」は、ユーザー企業の現場業務を改善するサービスである(図1、表1)。現場の個別業務についてアセスメントを実施した上で、対応方針を策定し、業務の改善につながる製品・サービスを選定する。現場部門や情報システム部門の業務量を増やすことなく、SCSKが第2の情報システム部門となってシステム化を支援する。アジャイル開発によってアプリケーションのプロトタイプも作成する。
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サービス提供の背景について同社は、ユーザー企業の現場には、現場固有の業務があり、これらの改善については個別最適となっている状況を挙げる。「現場で独自に作成したアプリケーションが、ドキュメントもないまま引き継がれ、運用がブラックボックス化している。今回提供する働き方改革ラボでは、こうした現場の業務課題を改善する」(同社)。
サービスの提供時に利用予定の製品・サービスは4つ。「CELF」(SCSK製)は、RPAソフトである。「FastAPP」(SCSK製)は、クラウド上でWebアプリケーションを超高速に開発できるツールである。「DX Suite」(AI inside製)は、AI-OCRソフトである。「AgileWorks」(エイトレッド製)は、ワークフローソフトである。
SCSKが挙げる、働き方改革ラボの導入効果は、以下の通り。
- 全体最適による現場個別業務の効率化を実現
- システム化により属人化を解消
- 個人情報を含む情報もシステムで一元管理し、適切な権限設定によるセキュリティ担保を実現
- 集積データのリアルタイム参照により、スピード感ある経営判断を支援
- アジャイル開発によるシステム開発で生産性の向上を実現
サービス内容 | サービスの概要 |
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現場個別業務すべてのアプリケーションを対象にアセスメントを実施 | アプリケーション調査やヒアリングなどで、現場で構築・利用して非公式なアプリケーションや独自のアプリケーションを洗い出し、全量での可視化および現状課題の整理を実施する |
全体最適による対応方針の策定と製品・サービスの選定 | 一部分の生産性・効率性の向上となる個別最適だけでなく、組織、システム全体として生産性・効率性が向上するか、全体最適の観点で対応方針を策定し、適切な製品・サービスを選定する |
最適な製品・サービスの適用によるDXの実現 | SCSKの製品・サービスに限らず、すでにユーザーが導入済みのシステムも含めて検討し、業務に適した製品・サービスを適用する |
現場担当者やIT部門に代わるITスキルを持ったリソースの提供 | 現場部門およびIT部門の業務量を増やすことなく、「働き方改革ラボ」がユーザーにとっての第2の情報システム部門として、全体最適によるシステム化を実施する |
アジャイル開発によるプロトタイプ作成で、認識の齟齬なく高速にシステムを構築 | アジャイル開発型を採用し、SCSKの「CELF」や「FastAPP」の特性を生かしたノンコーディングによるプロトタイプを作成する |