ピュア・ストレージ・ジャパンは2019年10月8日、SAN接続型のオールフラッシュストレージ「FlashArray//シリーズ」の新たな製品群を発表した。QLC NANDの採用によって容量単価を下げた新機種「FlashArray//C」や、高速な不揮発性メモリーの1つである米Intelの「Optane」をリード(読み込み)キャッシュとして使えるモジュール「DirectMemory」などを発表した。
ピュア・ストレージ・ジャパンの「FlashArray//C」は、データバックアップなどのティア2用途を想定して容量単価を下げたオールフラッシュストレージである。特徴は、1セルに4ビットの情報を保存できるQLC(クアッドレベルセル)のNANDフラッシュメモリーを採用したこと。QLCは、耐久性(書き換え可能回数)やレイテンシ(応答速度)の性能に劣るが、容量あたりの単価が安い(図1)。
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FlashArray//Cの最大容量は1.4PB(ペタバイト)で、実効容量は5.2PB。QLCフラッシュモジュールは、データベースサーバーなどのTier1用途を想定した既存の上位機種「FlashArray//X」と同様に、NVMeインタフェースを介して筐体に接続する。FlashArray//Cの価格は「FlashArray//Xと比べると、容量あたり30~40%安価に購入できる」(同社)としている(写真1)。
なお、FlashArray//シリーズ全体の特徴は、オールフラッシュ構成に特化したソフトウェアによって性能を追求していること。HDD/SSD兼用ストレージよりも性能が高いとしている。フラッシュの特性を生かしたインライン重複排除機能とデータ圧縮機能も備えている。スナップショットやレプリケーションといった機能も提供する。
Intel Optaneをリードキャッシュに使ってレイテンシを低減
新製品の1つ、DirectMemoryは、FlashArray//X(FlashArray//X70またはFlashArray//X90)に接続して使えるリードキャッシュ用途の不揮発性メモリーである(図2)。米IntelのOptaneを搭載したNVMe接続のモジュールであり、データ格納用の既存のフラッシュモジュールの代わりに4枚(キャッシュ容量3TB)または8枚(キャッシュ容量6TB)を搭載できる。
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DirectMemoryを装着することによって、ハイエンドストレージアレイ(FlashArray//X70またはFlashArray//X90)の40%は、レイテンシを30~50%削減でき、最大で2倍高速に使えるようになるという。また、ハイエンドストレージアレイの80%は、レイテンシを少なくとも20%削減できるという。
なお、FlashArray//シリーズは標準でNVRAMを搭載しているが、こちらはライト(書き込み)キャッシュである。今回追加したDirectMemoryは、リード(読み出し)キャッシュとして動作する。FlashArray//XにDirectMemoryを追加した場合の価格は、DirectMemoryを追加しない場合と比べて15~20%ほど高くなる。
スケールアウト型のストレージ製品「Pure Storage FlashBlade」も強化し、これまでの2倍となる150台のブレードをつなげられるようにした。これにより、単一ラックでシングルイメージ8PBのデータを格納できるようになった。なお、Pure Storage FlashBladeは、分散ストレージソフトを搭載したブレードサーバー機を増設することで容量を拡張する仕組み。ファイル共有プロトコルとAmazon S3互換のオブジェクトプロトコルを利用できる。
●Next:「Cloud Block Store for AWS」「CloudSnap for Azure」もリリース
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