TISは2019年10月17日、アイデア出しを支援するクラウドサービス「AIブレストスパーク」にスマホ版「スマホ Ver.」を追加したと発表した。同時に、PC版の「PC Ver.」とあわせてメニュー体系を刷新した。スマホ版は無料版も用意した。販売目標は、2019年度中に3万ユーザー。
AIブレストスパークは、アイデア出しをAIで支援するクラウドサービスである(関連記事:企画アイデア出しをAIで支援、博報堂メソッドを5つの機能に実装、TISが販売)。アイデアやコンセプトのきっかけとなるキーワードを入力すると、共起する関連語をインターネット上から収集して組み合わせ、新たな切り口や視点としてユーザーに提供する。予想外の単語の組み合わせによって発想を増幅させ、人間の創造力を高めるとしている。
AIブレストスパークは、TISと博報堂が共同で開発したサービスである。広告会社である博報堂の発想法や打ち合せノウハウ(博報堂発想支援メソッド)を5つの機能にまとめ、ユーザーインターフェースに搭載した。博報堂発想支援メソッドは、博報堂のクリエイターが最初に学ぶ発想のABCであり、クリエイティビティの基礎となるノウハウだとしている。
今回、AIブレストスパークの利用環境を拡大し、これまでのPC版(PCのWebブラウザからクラウドサービスにアクセスして利用)に加えて、スマートフォン(スマホ)版を用意した(画面1)。これにより、通勤時間やちょっとした休憩時間などで、スマホを活用して手軽にアイデア出しができるようになった。
拡大画像表示
スマホVer.は、「有料版」と「無料版」の2種類のプランを用意した。有料版は、月額500円(税別、以下同)で、アイデアのヒントをワードとフレーズで生成するブレストアイデアとノート、連続刺激モードの機能も利用できる。一方、無料版は、無料で利用できるが、ノート機能とコトバの生成回数が制限されている。
PC Ver.は、これまでの「個人ユース」に加えて、「チームユース」と「会議室ユース」を加えた3メニューとした。チームユースは、1つのIDを最大5人まで月額1万5000円で利用できる。チームミーティングでのブレスト利用が前提で、IDがあればスマホや外出先のPCでも利用でき、アイデアをまとめたノートも共有できる。
PC Ver.の会議室ユースは、1会議室あたり月額7500円で利用できる。会議室やフリースペースに設置したPCを使って、誰でも「AIブレストスパーク」が利用できる環境を提供する(申込み時に申請したIPアドレス単位で利用)。不特定多数での利用を想定し、Webブラウザを閉じた時点でノート機能の利用記録や検索履歴を消去し、ブレストの内容が他者に漏れることを防ぐ。
書籍も出版する。AIブレストスパークのコンセプトや使い方を理解して有効に活用するための解説マニュアル本『AIで楽しく発想強化する本 AIブレストスパーク フル活用のための55のコツ』である。2019年11月1日に出版する。
書籍の主な内容
- Chapter 1: AIとワイガヤしながら共創する時代へ
- Chapter 2: AIブレストスパークの哲学とその実装
- Chapter 3: 5つのメソッドと機能フル活用の55のコツ
- Chapter 4: 実践編 企業の課題にヒント連発
- Chapter 5: さらに進化し続けるAIブレストスパーク