[市場動向]

スマートシティ事業モデルの確立に向けて、官民共同で研究開発を開始

2019年11月11日(月)IT Leaders編集部

NEC、アクセンチュア、鹿島建設、日立製作所、産業技術総合研究所(産総研)、データ流通推進協議会(DTA)は2019年11月8日、内閣府が実施し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が管理法人を務める「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術におけるアーキテクチャ構築及び実証研究」の研究開発項目「スマートシティ分野:アーキテクチャ構築とその実証研究の指揮」の委託先に採択されたと発表した。今後、官民の協働により共通スマートシティアーキテクチャの確立に向けて研究開発に取り組む。

 スマートシティとは、先進的技術の活用により、都市や地域の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する取り組みである。日本政府が、ドイツのIndustrie 4.0などを参考に新たな社会像として掲げる「Society 5.0」実現の場でもある(関連記事日本とは本気度が違う、独主要都市のスマートシティへの取り組み)。

 現在、全国の自治体が、防災、観光、交通、エネルギー、ヘルスケアなど様々な分野でスマートシティのプロジェクトを展開し、ITを活用したまちづくりを通じて、地域の課題解決を図っている。しかし、各地で実証・導入を進めているスマートシティのプロジェクトは、特定の地域や分野に特化したサービス開発・システム構築になっている事例が多い。

 今回取り組むプロジェクトでは、国内外の先進事例を参考にしながら、地域間・企業間連携を推進し、地域や特定のサービスシステムに依存しないスマートシティ運用モデルの確立を目指す(図1)。

図1:スマートシティ・アーキテクチャにおける構成要素の概要(出典:NEC、アクセンチュア、鹿島建設、日立製作所、国立研究開発法人産業技術総合研究所、一般社団法人データ流通推進協議会)図1:スマートシティ・アーキテクチャにおける構成要素の概要(出典:NEC、アクセンチュア、鹿島建設、日立製作所、国立研究開発法人産業技術総合研究所、一般社団法人データ流通推進協議会)
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 「都市OS」となるスマートシティの共通設計図と、運用マニュアルとなるアーキテクチャを開発する。これにより、ほかの地域で生み出したサービスをスムーズに自分の地域に取り込める。加えて、データの利用・提供など運用方法をそろえ、都市を運営する関係者の認識を合わせることで、スマートシティ同士が協力したプロジェクトも行えるようにする。

 今回、NEC、アクセンチュア、鹿島建設、日立製作所、産総研、DTAは、SIPを通じて、各都市へ展開でき、かつ持続可能なスマートシティ事業モデルの確立に向けた研究開発を推進する。各企業・機関のこれまでの実証結果を持ち寄るとともに、国内外の先進事例を検討することで、共通スマートシティアーキテクチャの構築に取り組む。また、同研究開発で構築したアーキテクチャを自治体などの関係者が活用するためのガイドブックを作成する。

●Next:共通スマートシティアーキテクチャにおける各企業・機関の役割

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