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「スケールアウトNASなら無停止でストレージを増設・リプレースできる」―東映アニメーション

2020年1月31日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

東映アニメーションは2020年1月31日、Dell Technologies(EMCジャパン)が開催した記者説明会に登壇し、CGアニメーションの製作を支えるファイルストレージの変遷をシステム管理者の視点で紹介した。2012年に、無停止でシステムをリプレースできることなどを評価し、スケールアウト型NASの「Isilon」を導入した。現在までIsilonを使い続けている。

写真1:東映アニメーションで製作本部デジタル映像部テクノロジー開発推進室課長兼経営管理本部情報システム部課長を務める山下浩輔氏写真1:東映アニメーションで製作本部デジタル映像部テクノロジー開発推進室課長兼経営管理本部情報システム部課長を務める山下浩輔氏
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 東映アニメーションの製作本部デジタル映像部では、主に3次元CGアニメーションを製作している。同社は、製作途中のデータファイルを格納するストレージを、取り扱うデータ量の増加に合わせて、リース切れのタイミングで変更してきた。

 2012年以前は、SANストレージにWindows Server(NASヘッド)を組み合わせて使っていた。データ量は、ストレージの入れ替えごとに、1.6TB(2003~2006年)、12TB(2006~2009年)、23TB(2009年~2012年)と増えた。

 当時はシステム構成が煩雑だったため、「ストレージ入れ替え時の作業負荷が大きかった」と、東映アニメーションで製作本部デジタル映像部テクノロジー開発推進室課長兼経営管理本部情報システム部課長を務める山下浩輔氏(写真1)は振り返る。

 2012年には、システム構成をシンプルにすることを狙い、スケールアウト型NASストレージのIsilonに置き換えた。その後、現在までIsilonを使い続けている。データ量は、196TB(2012~2015年)、800TB(2015~2019年)、約1PB(2019年~現在)と増えている(図1)。

図1:2019年~現在のIsilonストレージ構成。Isilon X200×10台とIsilon NL410×4台の全体にまたがった単一ボリュームを運用している。アクセス経路は、デザイナーが使う作業用マシンの経路(Isilon X200)とレンダリングマシンの経路(Isilon NL410)を分離した。レンダリング処理によって作業のレスポンスが悪化することのないようにした(出典:東映アニメーション)図1:2019年~現在のIsilonストレージ構成。Isilon X200×10台とIsilon NL410×4台の全体にまたがった単一ボリュームを運用している。アクセス経路は、デザイナーが使う作業用マシンの経路(Isilon X200)とレンダリングマシンの経路(Isilon NL410)を分離した。レンダリング処理によって作業のレスポンスが悪化することのないようにした(出典:東映アニメーション)
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フルCGアニメーションの製作をきっかけにIsilonを導入

 2012年にIsilonを導入したきっかけは、フルCGのアニメーション映画「聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY」の製作が始まったことである。ストレージ容量が足りなくなることから、聖闘士星矢の製作専用にIsilon X200を10台(160TB)導入した。さらに、プリキュアなど聖闘士星矢以外のアニメーションの製作に使うストレージとして、IBM N3240(NetAppのOEM)を2台(80TB)導入した。

 2015年には、IBM N3240×2台を、新たに追加導入したIsilon NL410×4台に置き換えた。これにより、既存のIsilon X200×10台と合わせて、ストレージをIsilonに一本化した。これまでは作品によってボリュームが異なっていたが、Isilonへの一本化によって、単一のボリュームに作品フォルダが並ぶ状態を実現した。2019年には、Isilonを最新モデルに刷新し、Isilon H500×6台とIsilon A200×8台に置き換えた。

●Next:製作現場の作業を止めないスケールアウトNASのメリット

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