デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業にとって、「経営コンサル会社」や「ITコンサル会社」の存在は、“帯に短し襷に長し”なのかもしれない。「自社のDX戦略にピタリとフィットするコンサルティングファームはないのか?」──このようなニーズをとらえて、欧米で成長を続ける米スラロームコンサルティング(Slalom Consulting)が日本に進出する。DXに特化したコンサルティングを標榜する同社のどこに強みにあるのかを探った。
デジタルトランスフォーメーションに特化したコンサル
「経営コンサル会社」には、ITやデジタルに弱い印象がある。「ITコンサル会社」は、ERPや業務システムなどがメインだが経営戦略には弱みがある。デジタルトランスフォーメーション(DX)の要素、例えばアジャイルやAIの委託先となると、適切なところが見つからない……。
こういったニーズを原動力にして、欧米で顧客企業を増やしているコンサルティングファームがある。米スラロームコンサルティング(Slalom Consulting、https://www.slalom.com/、画面1)という2001年設立の会社で、いよいよ日本でもサービスを開始する。すでに都内に拠点を置いて人材を募集中だ。
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エンジニアを社内に抱え、必要なシステムを内製する傾向の強い米国でも、クラウドやアジャイル、IoT、AIといったデジタルテクノロジーの領域ではそれを担えるエンジニアの絶対数が少ない。人的リソースの面で内製化できるとは限らない。一方でスラロームは、シリコンバレーほどではないにせよ、デジタルに精通した人材が集まるシアトルに本社を置く。しかも「働きやすい会社」や「働きがいのある会社」といったランキングでは上位の常連(注1)。ここにスラロームの強みや存在意義があるようだ。
注1:4年連続でFortune 100 Best Companies to Work For Workにリストされている
その特徴は、大手企業向けのデジタル活用コンサルティング、SIに特化していること。さまざまなクラウドサービスやソリューションを活用しつつ、企業の事業変革や組織・文化改革といったデジタライゼーション、その先にあるデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する。具体的にはクラウド活用、アジャイル開発の実践、業務アプリケーションにおけるAIの導入、UI/UXの高度化といったところである。
●Next:カルチャー変革支援、ベンダー中立性、組織構成……スラロームの強みとは
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