JBCCホールディングスの事業会社で人材育成事業を営むアイ・ラーニングは2020年2月18日、システム開発のプロジェクトマネジャー(PM)に向けて、アジャイル開発の研修を開始すると発表した。同年3月中旬から開始する。
アイ・ラーニングは、現場でシステム開発を率いるプロジェクトマネジャーに向けて、アジャイル開発の研修コースを開始する(図1)。従来のウォーターフォール型開発からアジャイル開発への移行(トランスフォーメーション)や、アジャイル型プロジェクトマネジメントの勘所を学習できるとしている。
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知識を習得する「講義型コース」と、実践力を高める「演習型コース」の2つを用意した。演習型のコースでは、チームに分かれ、モデリングツールを使ってWBS(Work Breakdown Structure:プロジェクト計画表)を作成する。ウォーターフォールからアジャイルに至るプロジェクト計画を体験できる。
2つのコースで構成する。「ウォーターフォールPMのためのアジャイル~トランスフォーメーションへの挑戦(コースコード:PM800)」は、アジャイルとは何かから始まる概要と考え方を学び、受講生自身がアジャイル活動に向けた表明をするところまでを行う。アジェンダ(0.5日)は以下のようになっている。
- はじめに
- 講義
- アジリティ(機敏性)の求められる現在のビジネスを成功させるためのITプロジェクトとは
- アジャイルソフトウェア開発とは
- スクラムとは
- スクラムのプロジェクトをSM(スクラムマスター)として担当する
- スクラム開発の重要なポイント
- ウォーターフォールからアジャイルへトランスフォーメーション
- あなたのアジャイル活動開始に向けた表明
- おわりに
もう1つのコース「ウォーターフォールPMのためのアジャイル~トランスフォーメーション実践演習(コースコード:PM801)」は、4~5名のチームに分かれ、モデリングツールを使って、ウォーターフォールからアジャイルまでのプロジェクトプランニングを体験する。アジェンダ(1.5日)は以下のとおり。
- はじめに
- 演習の進め方ガイド
- 演習1:図書館システムの開発プロジェクトのプランニング(ウォーターフォール型開発)
- 初期プランの作成
- 遅延発生時の対処
- ユーザーからの追加要求発生
- 演習 2:図書館システムの継続開発対応プロジェクトプラン(アジャイル型開発)
- 初期体制の構築
- 追加要件への対応(複数のイテレーションの実施)
- おわりに
実践演習では、図書館システムの開発を課題に使う。演習1では、ウォーターフォール型プロジェクトによる初期開発を想定。演習2では、アジャイル型プロジェクトによる追加開発を想定する。どちらのフェーズでも、同じモデリングツールを使ってWBSを作成する。
演習1の計画・実績データを使いながら、演習2では 追加要件をアジャイルで開発するための、複数のイテレーションを作成する。作成したイテレーションを基に、ガントチャートや組織ごとのコスト割合、成果物達成予測などを自動作成し、ウォーターフォールとアジャイルの違いやポイントを実践的に理解していく。
アジャイル開発の研修を開始する背景としてアイ・ラーニングは、プロジェクトや開発現場において、アジャイル型開発の取り組みが進んでいることを挙げている。「ウォーターフォール型開発に長年取り組んできたプロジェクトマネージャの中には、アジャイル型開発への取り組みに危機感を抱いている人も多い」という。
なお、アイ・ラーニングはエントリー向けからエキスパート向けまで約50コースのプロジェクトマネジメント研修を展開している。