[調査・レポート]

人事部門は価値提供部門ではなく管理部門とみなされている―KPMGコンサルティング調べ

2020年5月11日(月)IT Leaders編集部

KPMGコンサルティングは2020年5月8日、人事部門の現状などを調べたオンライン調査の結果を発表した。調査の結果、日本の人事部門の現状について、「人事部門は『価値提供部門』ではなく『管理部門』とみなされている」、「タレントマネジメントに関する自信度が低い」、「社内において人事が創出すべき新たな価値を模索している」といった特徴があることが分かった。調査は、KPMGグローバルが実施した。

 KPMGコンサルティングは、オンライン調査により、人事部門の現状などを調べた。「人事部門は、価値提供部門(バリュードライバー)ではなく管理部門(アドミニストレーター)としてみなされているか?」という設問に対して、日本ではグローバル平均を14%上回る60%が「強く同意する・同意する」と回答した(図1)。

図1:人事部門は、価値提供部門(バリュードライバー)ではなく、管理部門(アドミニストレーター)としてみなされているか?図1:人事部門は、価値提供部門(バリュードライバー)ではなく、管理部門(アドミニストレーター)としてみなされているか?

 一方、タレントマネジメントに関する自信度の度合いについては、「(必要な人材の)惹きつけ」、「離職防止」、「育成」、――の項目において、日本の結果はいずれも「とても自信がある・自信がある」の割合が、グローバル平均より低かった(図2)。また、「現在多くの時間と労力を注いでいる施策」について、日本はグローバルと異なり、回答企業の57%が「組織内で価値を創出するための新しい方法の特定」と回答した。

図2:成長目標の達成に必要なタレントマネジメントに関する自信の度合いは?図2:成長目標の達成に必要なタレントマネジメントに関する自信の度合いは?

 調査結果を受けてKPMGコンサルティングでは、「昨今の人事部門は、より高いレベルでのビジネスへの貢献が求められている。人材育成、働きがいの醸成、生産性の向上など、持続的な強い企業を実現するための本質的な課題に応えていく必要に迫られている。テクノロジの活用によって、潜在課題の発掘や新規課題の立案など、人事でリードできる領域が広がっていく」とコメントしている。

 従来の日本企業は、従業員を「集団」で捉える傾向が強かった。現在では、労働市場が流動化し、労働者の価値観も多様化してきたことで、会社と従業員の関係が変化してきた。こうした変化に対応するため、従業員個人のエンゲージメント(働きがい)を高める大きな要因である「エンプロイーエクスペリエンス」(EX)への関心が高まっている。

 一方、多くの日本の人事部門は、これまで人事制度の運用といったオペレーショナルな業務を中心に担ってきた。ところが、企業が従業員に求めるスペックの高度化・多様化により、従来型の人事業務の遂行だけでは経営や従業員への価値を発揮できなくなっている。今後は、現場に寄り添いながら人的問題を解決できるビジネスパートナとしての役割が重要になってくる。

 これまでの日本企業の人事(異動配置などの要員構成)は、勘と経験に基づいた案の作成と現場間の利害調整が主な役割だった。今後は、データによる明確な根拠を基にすることが求められる。優秀な人材のエンゲージメントを高めるためには、従業員の「個」を適正に把握して異動・配置に活かす、といった人材マネジメントの高度化が不可欠となる。

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