[調査・レポート]

2019年のクラウド基盤サービス市場は、前年比134.5%の7800億円―矢野経済研究所調べ

2020年5月13日(水)IT Leaders編集部

矢野経済研究所は2020年5月12日、国内のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場を調査し、市場規模推移・予測、クラウドベンダー動向、新サービス普及状況を発表した。2019年のクラウド基盤サービス市場は、前年比134.5%の7800億円だった。オンプレミスからのクラウド移行、コンテナ、マイクロサービスへの需要が拡大し、マルチクラウド化も進展した。

 矢野経済研究所は、2019年の国内クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場(事業者売上高ベース)を調査した(図1)。前年比134.5%の7800億円と推計している。既存の情報システムをクラウドに移行する用途が、引き続き市場を牽引している。

図1:クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)市場における規模の推移と予測(出典:矢野経済研究所)図1:クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)市場における規模の推移と予測(出典:矢野経済研究所)
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 市場規模が拡大したことにより、成長率こそ低下していくが、市場は高い成長を継続し、2023年のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場(事業者売上高ベース)は1兆6700億円に達する。なお、2017年から2023年までのCAGR(年平均成長率)は25.4%で成長する(同予測では新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮していない)。

 調査期間は、2020年1月~2020年4月、調査対象は、国内クラウド関連ベンダー(パブリッククラウドおよびその周辺サービス提供事業者)、HCIベンダー、国内民間企業などである。調査方法は、矢野経済研究所専門研究員による直接面談、電話とメールによるヒアリング調査、郵送による法人アンケート調査を併用した。


勘定系システムへのパブリッククラウドの採用事例が増加

 2019年には、金融業におけるサービスの導入が拡大した。大手保険会社や証券会社において、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureなどを採用する事例が増えた。また、メガバンクや地方銀行なども、クラウド基盤サービスを活用し、適用範囲を広げようとしている。

 勘定系システムの基盤にパブリッククラウドを採用する事例が増えている。これらのシステムが稼働後、何も問題がなければ、勘定系システムの基盤にパブリッククラウドを採用する流れが起こる。また、これまでセキュリティを理由にパブリッククラウドを敬遠してきた企業の利用も増えており、クラウド基盤サービス市場の成長スピードは加速する。

 また、複数のIaaS/PaaSクラウド基盤を組み合わせるハイブリッドクラウドが一般化している。クラウド基盤を適材適所で使い分ける用途や、リスクを分散させる用途に加えて、2019年では、コンテナやマイクロサービスへの需要が拡大している。マルチクラウド化のトレンドは今後も続く見込みである。

 2020年は、政府情報システムにおける「クラウド・バイ・デフォルト原則」を背景に、公共分野でのクラウド基盤サービス利用の拡大が期待できる。もっとも、公共分野は民間と比較すると検討から導入までに要する期間が長い、あるいは地域特有の事情があるなどの理由から、これらに理解のあるパートナの確保がポイントになる。

 今後は、オンプレミスからのクラウド移行だけではなく、デジタル変革の実現を目的としたサービスの活用や、IoT/AI/5Gなどの普及が進み、大量のデータ管理やその分析が必要になる。海外でクラウド内のデータが漏えいする事故があったことなどを受け、クラウド内のデータ管理に注目が集まっている。2020年以降は、国内でもクラウド内のデータ管理に注目が集まり、データ管理に関するノウハウを持ったクラウドベンダーが台頭していくと、矢野経済研究所は見ている。

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