NECは、顔認証と虹彩認証の2つの技術を組み込んだマルチモーダル型の生体認証端末を開発したと発表した。各種の利用環境や利用者に対して、安定した認証精度と利便性を提供できる、とアピールしている。NECでは、2021年度までに、まずは決済や入退室用途での提供開始を目指している。
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NECは、顔認証と虹彩認証の2つの技術を組み込んだ生体認証端末を開発した(写真1)。顔情報と、左右の目で異なる虹彩情報、合計で3つの特徴を用いて認証を行うことで、認証の精度を上げた。他人が認証を行った場合に本人であると誤認してしまう割合を100億分の1以下にできた、としている。
顔と虹彩情報を活用したマルチモーダル生体認証技術の応用によって、手袋やマスクを着用しているシチュエーションや、両手が荷物で塞がっているようなシーンでも、非接触での個人認証ができる。
認証端末は、利用者の身長に合わせて内蔵カメラが傾きを自動調整する。さらに、顔や目の位置を捉えて、顔と虹彩の検出を同時に行う。最終的に、顔と虹彩を照合したスコア結果から、本人を確認する。
虹彩情報は従来、顔情報と比較して、取得が難しかった。これに対してNECは、顔情報から虹彩の位置を特定し、ピントや照明を瞬時に自動調整する技術を開発した。これにより、個々に身長が違っていても、利用者に負担をかけることなく、約2秒間で認証できるようにした。
主な用途としてNECは、オフィスへの入退室、衛生面に配慮した服装やマスクの着用が必要な食品工場、工場内のクリーンルーム、医療現場での入退室、ATM(現金自動預け支払い機)での本人確認、店舗での迅速な決済、――などを挙げている。