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全日空がコンタクトセンターシステムを刷新、音声基盤システムやCRMを統合

2020年7月16日(木)IT Leaders編集部

全日本空輸(ANA)がコンタクトセンターシステムを刷新し、2020年3月26日に稼働開始した。同システムでは、音声基盤システムをAvayaおよびNICEのシステムで刷新すると共に、複数システムに分散していた旧CRM(顧客関係管理)システムをSalesforce Service Cloudに移行・統合した。また、IBM Watsonの音声認識機能「Watson Speech to Text」を利用して、コミュニケーターと顧客との会話内容をテキスト化する仕組みの試験利用を開始した。日本IBMが2020年7月15日に発表した。

 全日本空輸(ANA)がAvayaとNICEを用いて刷新した新しいコンタクトセンターシステムにより、音声基盤システムを日米で統合した。これにより、電話を着信した拠点に関わらず、空きが出た拠点で受電することが可能になって、顧客の待ち時間の削減を図れるようになった。

 CRMシステムでは、コンタクトセンター拠点間の電話履歴を統一した。電話とメール・チャットなどのチャネル間連携が可能になったため、顧客の問い合わせ履歴情報を一元管理できるようになった。これによって、顧客対応を迅速かつ的確に行えるようになり、顧客満足度の向上を図る考えだ。

 また、Salesforce Service CloudやWatsonといったSaaSを活用したことで、顧客のニーズに柔軟に対応するシステム構築を可能にし、コストを抑えながら最新のサービスを利用できるようになったとしている(図1)。

図1:全日本空輸の新コンタクトセンターシステムの概念図(出典:日本IBM)
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 日本IBMは、セールスフォース関連のサービス提供に特化した専門チームと、音声基盤関連に特化した専門チームが連携してプロジェクトを推進した。コンサルティングサービスから、要件定義、システム構築までを一貫して提供した。

 ANAグループのコンタクトセンターは、日米4拠点で、1日平均2万件以上の顧客からの問い合わせに対応している。新システムを活用することで、顧客のニーズの多様化に対応したサービス品質の向上とコンタクトセンター運営の効率化を図る。顧客が求めるサービスを的確に把握してマーケティング施策に反映していく機能を強化する考えだ。

 ANAコンタクトセンターは今後、コミュニケーターと顧客との会話内容をテキスト化する仕組みの本格展開と合わせ、Watsonの情報探索「Watson Discovery」機能を利用し、問い合わせに対する回答候補などの情報をリアルタイムでコミュニケーターに表示する機能などを追加していく。

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