[市場動向]

消費者の意識・行動もアナリティクスの下地に、日本テラデータが市場調査チームを設立

「コロナ禍が消費者行動にもたらす影響」の調査結果を発表

2020年7月27日(月)指田 昌夫(フリーランスライター)

アナリティクスやデータドリブン経営が叫ばれて久しいが、分析対象データが皆無、ないしは十分でない領域も存在し、「データありき」のアプローチのみでは限界を迎えてしまう──日本テラデータがこの問題意識から、的確なアナリティクスのための市場調査チームを立ち上げた。同社は2020年6月30日、「ウィズコロナ時代のあるべき企業への示唆とアナリティクスビジネスの方向性」と題した説明会を開き、市場調査チームを新設した背景や、最初の市場調査となる「コロナ禍が消費者行動にもたらす影響」の調査結果および分析結果をまとめて発表した。

市場調査データが「データありき」の分析を補足

 データアナリティクス製品ベンダーのテラデータ(Teradata)が国内で市場調査チームを新設した。その理由を、日本テラデータ テラデータ・コンサルティング本部 アナリティクス・プラクティス ディレクターの宮津和弘氏(写真1)は「従来型の、いわば型にはまったアナリティクスから、高い付加価値のあるアナリティクスへ転換するための下地を作るため」だと説明する。ここに、コロナ禍が消費者の行動・購買動向に与える影響も加味して最小の市場調査を行ったという。

 テラデータが目指す高付加価値型のアナリティクスとはどのようなものなのか。同社はこれまで、多数の顧客企業のデータ分析プロジェクトの支援に携わってきたが、その過程ではやはり「データありき」のサービスが中心で、それに対する危惧も持っていたという。

写真1:日本テラデータ テラデータ・コンサルティング本部 アナリティクス・プラクティス ディレクター 宮津和弘氏

 どういうことかというと、「データありき」とは、極論するとデータがない課題には分析が行えないということ。そこで、データがなければ調査を行ってデータを集めてから、進むべき方向性を明らかにするのが正しい道筋である、という考え方に至ったという。その際に、単なるデータ分析のためのコンサルティングだけでなく、より上流の企業戦略に関わるコンサルティングを、テラデータみずからがクライアント企業に提供することを目指すとしている。

 また、テラデータのソリューションが従来分析対象にしてきたデータは、顧客企業が事業活動から得る“測定データ”だ。ここに“市場調査データ”を加えることで、分析に新しい価値を与えることができる」と宮津氏は述べ、次のように補足する。

 「例えば消費者の行動は、センサーや購買履歴などから取得する測定データを見ればわかる。だが、その背景にどういう“意識”があったのかは、測定データだけではわからない。今のコロナ禍のように、人々の意識がどのように変化しているかが見えないときこそ、測定データを補う情報として市場調査が不可欠であると考えた。市場調査によって得られる質的データも分析対象にすることが、アナリティクスの新たな価値になる」

 この新しいアプローチを採ることで、顧客企業におけるマーケティングの高度化やカスタマーエクスペリエンスの向上にも寄与すると宮津氏。加えて、近年、顧客企業の側でIT予算執行権限が変化していることにも対応するものだという。

 「ガートナーのレポートにも、CIOからCMO(最高マーケティング責任者)へのIT予算執行権限のシフトが示されている。テラデータとしても、これまでのようにIT部門を中心としたビジネスだけでは先細りになる。事業部門のリーダーに対してコンサルティングから提案することで、結果を出せるアナリティクスを提供しなければならないと考えている」(同氏)

●Next:ウィズコロナ時代のビジネス戦略策定に必要な、消費者のリアルな意向・行動

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