アイ・ティ・アール(ITR)は2020年8月25日、国内のリモートデスクトップ/リモートコントロール市場における、規模の推移と予測を発表した。リモートデスクトップ市場の2019年度の売上金額は13億5000万円、前年度比16.4%増と高い伸びを示した。在宅勤務が増えたことが市場の拡大を後押しした。2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大にともなう在宅勤務の急増により前年度比55.6%増と大幅な伸びを見込んでいる。
ITRは、リモートデスクトップ市場とリモートコントロール市場の規模と推移を調査した(図1)。
リモートデスクトップは、「インターネットを通じて社内PCの画面を社外の端末へと転送することで、オフィス外で業務を遂行できるようにする製品・サービス」である。主に一般従業員のテレワーク用途で活用する。
一方、リモートコントロールは、「インターネットを通じて離れた場所から専門のオペレーターが他者のPCにアクセスし、他者のPC画面を共有・操作する製品・サービス」である。主に、サポート業務で活用する。
在宅勤務の拡大でリモートデスクトップ市場が急伸
リモートデスクトップ市場の2019年度の売上金額は13億5000万円で、前年度比16.4%増と高い伸びを示した。「近年の働き方改革の推進により、在宅勤務が徐々に増えたことが市場の拡大を後押しした」(同社)という。
2020年に入ってからは、新型コロナウイルス感染症拡大にともなう在宅勤務の急増によって需要が急速に拡大していることから、2020年度は前年度比55.6%増と大幅な伸びを見込んでいる。
「在宅勤務は一過性のものではなく、一定数の従業員の働き方のスタンダードになると見られる」とITRは分析。リモートデスクトップ市場は中長期的に市場拡大が見込まれることから、CAGR(2019~2024年度)は20.3%の高い伸びを予測している。
リモートからのサポート業務は拡大傾向
一方、リモートコントロール市場の2019年度の売上金額は22億円、前年度比10.0%増を示した。2020年度は前年度比6.8%増を見込んでいる。リモートからのサポート業務は拡大傾向にあり、安定的な伸びが見込まれることから、CAGR(2019~2024年度)は6.0%を予測している。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:ユニファイド・エンドポイント管理市場2020』に詳細を掲載している。同レポートには、ユニファイド・エンドポイント管理市場の全6分野を対象に、国内45ベンダーへの調査に基づいた2018~2019年度売上げ実績および2020~2024年度までの売上げ予測を掲載している。