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コンテナ基盤「Red Hat OpenShift 4.6」、長期サポートやエッジ対応、Quarkus標準搭載など
2020年11月26日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
レッドハットは2020年11月25日、コンテナ運用基盤の新版「Red Hat OpenShift 4.6」を発表した。新版では、信頼性を高めるため、アップデートサポートの期間を約18カ月と長くした。また、エッジコンピュータ上でコンテナを実行しやすくする機能などを追加した。開発者向けには、イベント駆動型の処理を実装できるようにしたほか、Kubernetes環境でJavaプログラムを実行しやすくするJavaフレームワークであるQuarkusを標準で搭載した。
Red Hat OpenShiftは、Kubernetesベースのコンテナ運用基盤である(関連記事:レッドハット、Linuxの新版「RHEL 8」とコンテナ運用基盤の新版「OpenShift 4」を販売開始)。
新版の「Red Hat OpenShift 4.6」では大きく、企業システム用途に向いた信頼性の向上、エッジコンピューティングへの対応、開発者体験の向上という3つの強化を施した。
約18カ月間の長期サポートを提供
信頼性の向上では、プレミアムサポートのサブスクリプション契約を交わしているユーザーを対象に、重要なメンテナンスアップデートを提供するサポート期間を約18カ月と長くする「延長アップデートサポート」を導入した(図1)。
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OpenShiftは通常、約3カ月周期でマイナーリリースが出る。3カ月周期でマイナーリリースが出続けると仮定した場合、フルサポート(4カ月間)とメンテナンスサポート(5カ月間)で9カ月間のサポート期間となる。これに対して延長アップデートサポートでは、メンテナンスサポート期間を14カ月と長くした。
エッジ特化の軽量Linuxを実現、コンテナ実行ホストもエッジ向けに拡張
エッジコンピューティング用途に利用しやすくする機能拡張も施している(図2)。
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まず、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)8.3において、イメージビルダー機能を使って、エッジ端末へのインストールに適した軽量版のLinuxを作成できるようにした。また、狭いネットワーク帯域でもイメージを更新できるようにイメージを細かく受信する機能や、端末が停止している時間を減らすためにイメージの更新をバックグラウンドで実施する機能を持たせた。
エッジデバイス上でコンテナを実行しやすくする機能も追加した。Kubernetes環境でコンテナを実行するホスト(ワーカーノード)としてエッジコンピュータを利用する際に、ネットワークの切断や遅延などによって応答がなかった場合にもワーカーノードを切り離さずに維持する「リモートワーカーノード」を実現した。さらに、ワーカーノードを管理するマスターノードもエッジ側に置いた際に、最小3ノード構成の小規模クラスタで動作するようにした。
●Next:開発者体験を高める強化ポイント
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