アット東京は、アット東京のデータセンターや外部のクラウドサービスなどを相互接続するネットワークサービス「ATBeX」において、接続設定を自動化する「ATBeXオーケストレータシステム」を構築した。設定の自動化には、構成管理ソフトウェア「Red Hat Ansible Automation Platform」などを用いた。2020年8月から稼働している。システムを構築したネットワンシステムズが同年12月4日に発表した。
アット東京の「ATBeX」は、同社のデータセンター内に設置した企業システムや事業者サービス、外部のクラウドサービスや通信サービスなどを相互接続するサービスである。近年、複数のクラウドサービスへの閉域接続の需要が増えていることから、接続設定の自動化によって開通処理に必要な期間を短縮することにした。
構築した「ATBeXオーケストレータシステム」では、利用企業からの利用申請を基に、クラウドサービスへの接続設定を自動化する。これにより、開通処理に必要な期間を、従来の2営業日から最短で数分へと短縮した(図1)。
システムは、申請内容を設定パラメータへと自動で変換する「Webシステム」と、Ansibleを使ってネットワーク機器やクラウドの設定を自動化する「自動化システム」の2つで構成している。
Webシステムは、サービス利用企業が申請時に利用する顧客ポータルから、API連携で申請内容を自動で受領する。この情報を、設定対象ホスト、VLAN、帯域、冗長構成、利用ポートといったネットワーク設定パラメータに自動的に変換する。また、管理機能として、申請情報や、利用する回線、ポート、パッチパネルの情報を保管して管理する。
自動化システムは、Webシステムから受領したネットワーク設定パラメータに基づいて、あらかじめ作成済みのAnsible Playbook(自動処理の基本単位)およびAnsible Playbookを複数接続したワークフローに沿って、自動的に設定を反映する。また、設定完了の旨をWebシステムに通知し、Webシステム側で設定反映情報を管理する。