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コロナ禍で学んだ「今こそ強化すべきDXの礎」、CIOのなすべきアクションは?
2021年1月25日(月)
今般のコロナ禍は世界中のあらゆる産業に多大な影響を及ぼした。そうした中で、大胆な施策や強靭な回復力で対処する企業と、現場の混迷で信頼や競争力を失墜させた企業とはっきりと明暗が分かれてきている。明暗を分けたのは、企業としての危機対応力に加えて、「デジタル経営」の巧拙ではなかろうか。ニューノーマル時代に向けて企業が、CIO/ITリーダーがなすべきことは何か。一連の経験から浮き彫りとなった諸課題のうち、「ECM≒プロセスに紐づく情報のデジタル化」と「SCM≒取引先とのプロセスのデジタル化」という2つのテーマについて、オープンテキスト 代表取締役社長の反町浩一郎氏とインプレス IT Leaders 編集長の河原潤がディスカッションを行った。
一連のコロナ禍で日本企業に露呈した問題
河原:コロナ禍の非常に厳しい状況が続いています。国内では、テレワークの普及をはじめ、多くの企業のデジタル化を後押しした面もありますが、これまで印鑑で行っていた承認や決裁、契約などをどうするか、在宅で個々の“頑張り”が見えにくくなった社員の評価をどうするかといった問題に突き当たっているという声を良く聞きます。Web会議などにはどうにか対応できても、根っこの業務プロセスや業務フローが追い付いていないということですね。こうした状況を、反町さんはどのようにご覧になられていますか。
反町:コロナ禍はあまりにも突然に世界を襲い、十分な準備ができていた企業はほとんどありませんでした。今回、企業がどんな問題に直面したのか、内部的な課題と外部的な課題の2つの側面から見ていく必要があると考えています。
まず内部的課題として、仰る通り、業務プロセスや業務フローが対面や捺印承認が前提だったため、テレワークではうまく回らないという問題が露呈しています。一方の外部的課題では、サプライチェーンの寸断が大きな問題となりました。たとえば、コロナ感染拡大の初期に、中国と取引をしている製造業の75%が、パーツが入ってこなくなるなど大きな影響を受けたという調査がありました。企業間取引をある意味でのルーティンや商慣行として属人的な運用に依存し、安心していたのですが、その前提が崩れてしまいまったのです。
河原:業務のデジタル化やサプライチェーンの課題は従前からありましたが、今回の危機でようやくその必要性や取り組みの遅れに対峙せざるをえなくなったわけですね。日本企業、なかでも伝統的な企業だと、紙文書や対面での丁寧なやり取りを長年重視してきたところも多く、内面的にも外面的にも急激なルールチェンジを突きつけられたということでしょう。
反町:その通りだと思います。日本の労働生産性が、世界のTop30に入っていないというという現状(OECD調査:2020年)は、このあたりの急激な変革に対して、追いついていない事が一つの要因になっていると考えています。
河原:前提が崩れるような大危機に瀕して、多くの企業が改めて課題を強く認識することになりました。今の状況を変革のきっかけ、チャンスとしてニューノーマルに向かうために、企業はどんなスタンスで課題解決に臨めばよいでしょうか。
反町:OpenTextでは「組織のレジリエンス(回復力)」と「デジタル化のリシンク(再考)」が、ニューノーマル時代を制す」というメッセージを訴えています。
先々を見通すことは益々難しくなってきていますし、コロナのような世界的な災禍が起こり得ることを我々は肌身で思い知らされました。まず基本的なこととして、予測できない事態に直面した際に、ある程度まではITでリカバリーできる体制を築くことが欠かせません。一方ですべての業務がリモートのみで完結するわけではなく、バーチャル(仮想)とフィジカル(実体)の最適なバランスを取りながらビジネスを回していく必要があり、それを支えるのもやはりITの力です。これが私どもの言うところのレジリエンスとリシンクの考え方です。その意味を噛み締め、具体的なアクションを洗練させていかなければなりません。
業務プロセスと表裏一体で全社のデータを統合するECM
河原:レジリエンス(回復力)とリシンク(再考)というキーワードに賛同します。デジタル化のリシンクについては、曖昧だった「IT化とデジタル化の違い」を改めて意識する必要があると思っています。例えばERPを導入したからといって、それだけではデジタル化とは呼びませんよね。ERPの利用を通じて、全社の業務フローや業務プロセスの可視化にも着手し、最適化を図っていくレベルまでいけばデジタル化と呼べるでしょう。
一方、そうした業務プロセスの可視化・最適化にあたって、ERPがカバーする業務領域やデータだけで見ていれば足りるかというとそうではない。このあたりは、OpenTextがかねてから展開してきたエンタープライズコンテンツ管理(ECM)とも深く関わりますね。
反町:はい。企業の経営・ビジネスを形成するデータはさまざまありますが、まず構造化データと非構造化データに分けて捉える必要があります。構造化データはERPなど基幹系のデータベース管理されているデータですが、実はそれよりも重要な価値をもっているのが非構造化データ、つまり契約書や請求書、図面などのドキュメントやコンテンツデータであると私たちは考えています。
企業データ全体の中で非構造化データは80%以上を占めると言われますが、担当者の個人PCや部門のファイルサーバーなどでばらばらに管理されており、必要なデータを必要なタイミングで使える状態にはなっていません。オフィスワーカーの業務時間の25~30%が非構造化データの検索に費やされているという調査もあり、生産性を著しく低下させる原因となっています。
本来、非構造化データは構造化データとしっかり紐づいているはずです。ところが多くの企業では、たとえばある契約番号が割り振られた売上はどういう見積もりに基づいているのか、その見積もりの作成過程で顧客からどんなオファーがあり、何度修正を繰り返してきたのかなど、一連の情報がひとつなぎで管理できていません。この問題に踏み込み、データ間の横断的な連携を実現するところがOpenTextの提供するビジネスコンテンツ&プロセス管理の一番の強みと自負しています。
河原:仰るように大半を占める非構造化データにこそ、ビジネス活動の“実態”が詰まっているのだと思います。通常の文書管理やファイル管理などとは違いECMとも表現されている領域で、非構造化データを含めたすべてのデータを、それぞれのバックグラウンドやコンテキストを含めて管理し、活用可能にしていくアプローチ。反町さんのお話からそのように捉えましたが、まさに業務プロセスと表裏一体の位置づけにあるように思います。
反町:その通りですね。非構造化データの中には、本当にそのときにしか使われない限定的な用途のものもありますが、基本的には何らかの業務に連動し、構造化データに紐付いて、プロジェクトの推移に伴い更新されていくものが多いです。これはマニュアルな管理ではとても追い切れないので、ここにECMの価値があります。構造化データと非構造化データを紐付け、統合管理するソリューションとして、今回機運が高まったペーパーレスや業務プロセスのリモート化なども大いに後押ししていくと考えています。
河原:構造化データと非構造化データの紐付けは、ERPのような構造化データを扱う業務システムとOpenTextのソリューションが連携して、自動的にデータ間の紐付けがなされるようなイメージでしょうか。
反町:はい。実際に過去3年間にSAP S/4HANAを新規導入した国内企業の7割以上のお客様に、OpenTextソリューションをあわせて採用いただき、両者の連携機能を活用いただいています。機能の詳細についてはここでは割愛しますが、当社はこの領域で多くの知見を積んできました。企業ごとの事情に合わせた導入方法も含めて、実効的な提案をする準備が整っています。
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企業間取引を支える社外的な情報ハブとなるSCM/EDI
河原:もう1つのテーマに移りましょう。外部的課題としてサプライチェーン寸断の問題を挙げていただきました。OpenTextがECMに加えて、この領域の問題解決にも注力していることは存じていますが、実際どんな戦略をもって提案されているのでしょう。
反町:日本ではOpenTextというとビジネスコンテンツ管理の専業ベンダーというイメージが強いのですが、実は私たちのビジネスでは、それと同じくらいの売上規模をSCM(サプライチェーン管理)/EDI(電子データ交換)が占めています。全世界的には、OpenTextは企業間取引を支える世界最大のビジネスネットワークカンパニーとして知られています。OpenText B2B Managed Servicesは日々膨大なトランザクションを処理しており、そこで行われる商取引は金額ベースで年間900兆円以上。これは世界のGDPの約11%に相当します。
先程お話したように今回のコロナ禍は、属人的かつ前例主義的なサプライチェーンに依存してきた企業に課題を突きつけたわけですが、大規模な顧客基盤を有するOpenTextだからこそ、サプライチェーンの見直しに貢献できることがあると考えています。
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河原:サプライチェーンをエンドツーエンドで可視化したうえで、強みである業務プロセスとの紐づけによってB2Bの一連の取引をライフサイクル全体で着実に進めていくということですね。1つ目のテーマのお話で、OpenTextのECMが業務プロセスと緊密に連携しているという特徴を説明してくださいましたが、お話を伺うに、ECMとSCMのコンセプトが通底しているように思います。
反町:そのように受け止めていただけるのはありがたいです。OpenTextは、ビジネスに不可欠なデータやプロセスを効率的に処理・自動化し、活用していく「情報のハブ」を標榜すると共に、それを実現するソリューションを提供しています。その意味でECMは社内的な情報のハブとなり、SCMはさまざまな企業間取引を支えるビジネスネットワークとして社外的な情報のハブとなります。この両輪で企業のビジネスの意思決定とアクションを支援しています。
河原:ECMにしろ、SCMにしろ、それぞれの分野のイメージで捉えてしまいがちですが、社内と社外のそれぞれの情報のハブとして機能しているのが、OpenTextならではの特徴ですね。さまざまな情報、データを横断的に紐づけるハブを中央に置くことで、サプライチェーンのライフサイクル全体を見渡せるようにすることが大きなキーとなりそうです。
反町: EDIと聞くと、従来は単にデータ変換だけをやっている印象があったかもしれませんが、もっとも重要なことはサプライチェーンに関わる、あらゆる情報やデータを見える化し、分析し、将来を予見していくというアクションにほかなりません。それがレジリエントなサプライチェーンへの見直しや、その先にあるデジタルトランスフォーメーション(DX)につながっていくのです。
これまでの常識や前提が崩れた今、新たな競争が始まった
河原:情勢から言って、パンデミックとの闘いが相当な長期戦になることは間違いなく、DXは、企業がニューノーマルに適応するための条件としてもはや待ったなしと言えます。しかしながら、現時点での日本企業のDXの進捗は、一部の先進企業を除き、順調とは言いがたいのが実状です。最後に、本誌の読者=企業のデジタル戦略を主導するCIOやITリーダーに向けて、メッセージをお願いします。
反町:今回のコロナ禍はまったく予測不能な事態ということもあり、多くの企業に様々な打撃を与えました。ただ、これは必ずしもネガティブなことばかりではなく、物事をプラスにもっていく変革のチャンスとすることもできます。
先ほどもお話しした日本企業の競争力や労働生産性は、この30年で大幅に低下し、ホワイトカラーの生産性も先進諸国の中で最低ランクと評されています。しかしコロナ禍によってこれまでの常識や前提が崩れた今、新たな競争が始まりました。誰もがその同じスタートラインに立っており、逆転はいくらでも起こりえます。それを可能とするキーワードが、レジリエンス(回復力)とリシンク(再考)なのです。OpenTextは変革に前向きに臨むITリーダーとしっかり手を携え、日本企業の競争力強化に貢献していきたいと考えています。
●お問い合わせ先
オープンテキスト株式会社
https://www.opentext.jp/
TEL:03-4560-7705
Mail:sales-jp@opentext.com
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