[事例ニュース]

富士通、ローカル5Gを自社工場で運用、スマートファクトリー目指し現場作業の自動化や遠隔支援に活用

2021年3月31日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

富士通は2021年3月30日、先端技術を活用したスマートファクトリーを実現すべく、ネットワーク機器の製造拠点である小山工場(栃木県小山市)においてローカル5Gの運用を開始した。現場作業の自動化や遠隔支援などに利用する。用途に応じて4.7GHz帯のSAと28GHz拡張周波数帯のNSAを使い分けている。今後、検証を進め、2021年度内に製造業向けサービスとして提供する。

 富士通は、先端技術を適用したスマートファクトリーを実現すべく、ネットワーク機器の製造拠点である小山工場において、ローカル5Gの運用を開始した(図1)。高精細映像やセンサーデータなどの大容量で大量のデータをを活用し、技術の伝承、作業の高精度化、自動化を図る。

図1:小山工場におけるローカル5Gの活用イメージ(出典:富士通)図1:小山工場におけるローカル5Gの活用イメージ(出典:富士通)
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 電波の到達距離や使用用途に応じて、電波の到達距離が長い4.7GHz帯と、広帯域で大容量のデータ通信に適した28GHz拡張周波数帯という2種類のローカル5Gネットワークを構築した。

 建屋内や建屋間で部品や製品を運搬する作業に対しては、電波の到達距離が長い4.7GHz帯のネットワークを活用する。工場内を走行する無人搬送車との間でリアルタイムに通信し、位置の測定と走行制御を高精度に実施し、自動走行を実現する。

 作業者による組立作業に対しては、広帯域で大容量のデータ通信に適した28GHz帯のネットワークを活用する。工場内に設置した多数の高精細4Kカメラで撮影した製品や作業の映像をエッジコンピューティング環境に伝送して解析し、動作が正しいかをリアルタイムにフィードバックする。また、MRデバイスを活用した現場作業のトレーニングや遠隔支援も行う。

●Next:富士通小山工場で行う、スマートファクトリーに向けた3つの実践

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