気象庁は、アメダス(地域気象観測システム)などの中枢システムを刷新し、統合仮想化基盤「気象庁情報システム基盤」に移行した。新システムは2021年3月に運用を開始した。仮想化基盤への移行により、データ量の増加に合わせて柔軟にシステムリソースを追加できる体制を整えた。システムを構築した富士通が2021年4月13日に発表した。
気象庁は2020年3月、全業務システムを集約統合する仮想化システム基盤「気象庁情報システム基盤」を構築した。2020年10月から、業務システムを順次、仮想化基盤へと移行している。
今回、3つの中枢システムを仮想化基盤に移行した。(1)「地域気象観測システム」(通称:アメダス)、(2)「気象情報伝送処理システム」(通称:アデス)、(3)「潮位データ総合処理システム」、である(図1)。
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従来は、業務ごとに独立してシステムを整備し、災害に備えて東西2局にシステムを分散配置して運用していた。しかし、運用コストの増大や、運用管理の複雑化、新システム開発期間の長期化、最新技術への適応の遅れ、などの課題が生じていた。
仮想化基盤へのシステム移行によって、運用負荷やコストの削減、システム開発スピードの向上などを図る。さらに、防災や減災に向けたデータ活用を加速させ、気象予測の精度向上など、気象業務をより強化していく。
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