ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)、三菱HCキャピタル、日立製作所の3社は2021年5月21日、指静脈認証を用いたゴルフ場のチェックインや決済処理に関する共同実証を開始した。同日から同年10月31日にかけて、GDOが運営する「GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス」(神奈川県茅ヶ崎市)において実証する。
ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)は、同社運営のゴルフ場「GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス」(神奈川県茅ヶ崎市)において、指静脈認証の実証実験を開始した。ゴルフ場のチェックインや決済処理に指静脈認証を利用して、受付を無人化する(写真1)。実証実験は2021年5月21日から同年10月31日まで実施。そこでの結果を踏まえ、GDOが提携するゴルフ場への指静脈認証の展開を図る計画である。
拡大画像表示
GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスでは通常、利用者は受付時に記帳する必要がある。また、現金または電子マネーによる支払いが必要である。今回の共同実証では、これを改善し、受付の無人化を試みる。技術要素として、受付に指静脈認証装置「日立指静脈認証装置 H-1」を2台設置する。
システムには、日立製作所のPBI(Public Biometrics Infrastructure:公開型生体認証基盤)を用いた「生体認証統合基盤サービス」を活用する(関連記事:日立、手ぶらで決済できる「生体認証統合基盤サービス」、生体情報からPKIの秘密鍵を都度生成)。これにより、初回に生体情報とクレジットカードを登録しておくだけで、本人認証から決済までを手ぶらで行える。
実証実験では、ゴルフ場への入場や決済時における指静脈認証の有用性、無人受付の運用を検証する。これにより、各種手続きの簡素化、利用者の利便性向上、混雑状態の回避などを図る。将来的には、利用者のニーズは高いものの、スタッフの配置が困難な早朝や薄暮プレーといった新しいゴルフスタイルを推進するなど、ゴルフ場のサービスを拡大する。
背景として同社は、指静脈などの生体認証にて行うキャッシュレス決済が、非対面での決済手段として期待が高まっている状況を挙げる。屋外で三密を回避可能なスポーツとして注目が集まっているゴルフ競技においても、受付時における接触機会の軽減が望まれている。
3社は今後、実証実験を踏まえ、GDOが提携するゴルフ場への指静脈認証の展開を図る。日立と三菱HCキャピタルは、ゴルフ場と同様のニーズを持つ各種業界のユーザーに向けて、生体認証の普及に取り組んでいく。