アイ・ティ・アール(ITR)は2021年5月28日、国内のSOAR(セキュリティのオーケストレーション・自動化・レスポンス)製品市場における規模の推移と予測を発表した。2020年度のSOAR市場の売上金額は前年度比2.3倍になると予測している。セキュリティの運用に有効な製品・サービスとして導入企業が増加し、市場が形成されつつあるという。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のSOAR(Security Orchestration, Automation and Response:セキュリティのオーケストレーション・自動化・レスポンス)製品市場について、規模の推移と予測を発表した。
2019年度の売上金額は2億2000万円で、2018年度比83.3%増だった。2020年度は前年度比2.3倍になるとITRは予測している。2019~2024年度のCAGR(年平均成長率)は37.0%で、2024年度には11億円に達する(図1)。
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SOARは、セキュリティ運用の自動化・効率化を可能にする製品・サービスである。「SOARを導入することによって、システムの脅威となる情報を分析して対応の必要性や優先度を振り分けられる。インシデント対応を自動化できるほか、対応状況の管理や脅威の調査などが可能になる」(ITR)
ITRは、セキュリティ人材不足の解消とセキュリティ運用の効率化に有効な製品・サービスとして、SOAR市場の今後のさらなる成長を予測する。「現在の市場規模はまだ小さいが、SOARを導入するユーザー企業とSOAR市場に参入するベンダーは増えている。セキュリティの運用に有効な製品・サービスとして市場が形成されつつある」(同社)
同社は、「大企業を中心にCSIRT/SOCの設置が進んでいるが、現場はインシデント対応や脆弱性対策に追われているのが実情である」と指摘する。SOARは、CSIRT/SOCの効率化と自動化を支援するが、製品の導入にあたっては、あらかじめインシデント対応フローやトリアージ基準を定義する必要があるという。