サントリーロジスティクスは2021年6月2日、物流倉庫内のフォークリフトの安全運転をAIで判定するシステムの稼働を開始した。自社倉庫に順次導入していく。ドライブレコーダー映像から危険運転シーンを検知して評価する。これにより、安全運転の評価業務にかる時間を約半分に短縮することを目指す。システムを共同開発した富士通が同日に発表した。
サントリーロジスティクスは、物流倉庫内のフォークリフトの安全運転をAIで判定するシステム稼働を開始した。ドライブレコーダー映像から危険運転シーンを検知して評価する。これにより、安全運転の評価業務にかかっている時間の短縮を図る。2020年4月から技術検証を始め、有用性を確認できたことから、2021年6月2日付で実運用を開始した。自社倉庫に順次導入していく(図1)。
図1:検知した危険運転シーンとともに検知の根拠を動画上に表示する(出典:富士通)拡大画像表示
安全運転の評価業務とは、倉庫での災害防止を目的に、物流倉庫内を走行するフォークリフトのドライブレコーダー(ドラレコ)映像を点検し、安全運転がなされているかどうかを評価し、運転者に評価内容をフィードバックするというもの。今回開発したAI判定システムは、ドラレコ映像を解析し、フォークリフト特有の走行状態や爪部分の動きの組み合わせから、危険な運転が疑われる動画箇所を提示する。
サントリーロジスティクスは、フォークリフトによる労働災害を防ぐため、2018年からドラレコを導入し、安全推進部の社員が年2回、計500時間かけて数百人分のドラレコ映像を点検していた。しかし、ドラレコ映像の点検には膨大な時間がかかるため、目視確認での見落としや、均一な評価ができない点が課題になっていた。また、既存のドラレコ映像解析システムでは、フォークリフトの爪部分の動きなど、フォークリフトに特化した動きの検知ができなかったという。
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