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コンテナ実行を容易にする「IBM Cloud Code Engine」、Kubernetesの面倒な運用を回避
2021年6月29日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
日本IBMは2021年6月29日、説明会を開き、同社が同年4月からサービス提供しているコンテナ実行環境「IBM Cloud Code Engine」の概要を説明した。開発者は、実行したいアプリケーションを用意するだけで、あとは簡単なWeb画面操作だけで、アプリケーションをコンテナ環境で実行できる。同年6月には大阪データセンターも追加し、現在は東京と大阪の2拠点でサービスを提供している。
「IBM Cloud Code Engine」は、2021年4月から利用できるようになった、マネージド型のコンテナ実行環境である(図1)。アプリケーション開発者は、Kubernetes環境のサーバーインフラを自前で運用することなく、コンテナ化したアプリケーションをKubernetes環境で実行する。開発者は、アプリケーションのコードさえ用意すれば、IBM Cloud Code EngineのWeb画面からアプリケーションをコンテナ化して動かせる。

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ベースとなるオープンソースとして、Kubernetes環境で簡単にサーバーレスを実現できる基盤ソフト「Knative」や、マイクロサービス同士のネットワーク接続を管理するアクセス制御プロキシ「Istio」などを利用する(図2)。Kubernetesの煩雑な運用を回避しながら、コンテナイメージをイベントドリブンで起動できるようにする。

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開発者は、IBM Cloud Code Engine上で、アプリケーションのソースコード、バッチジョブ、ファンクションなどを動かせる。作成済みのコンテナイメージを指定してランタイム環境で実行できるほか、GitHubのソースコードを指定してビルドしたり、BuildpackやDockerfileを指定してコンテナイメージを作成できる。
コンテナイメージを動かすランタイム環境は、コードを実行していない時はインスタンスがゼロ台であり、コードを実行している時に限って課金する。オートスケール機能を備えており、アプリケーションの負荷に合わせてインスタンスの台数を動的に増減する。デフォルトでは負荷に合わせて0台~10台のインスタンスを起動する。インスタンス1台の性能(CPU、メモリー)も指定できる。
料金は、コンテナイメージをビルドする時と、ランタイム環境でコンテナイメージを実行する時に、リソース(CPU、メモリー、HTTPリクエスト数)の使用料がかかる(図3)。CPUは1vCPUにつき1秒あたり0.0000319ドル(1カ月あたり10万秒まで無料)、メモリーは1GBにつき1秒あたり0.000033ドル(1カ月あたり20万秒まで無料)、HTTPリクエスト数は100万件あたり0.50ドル(1カ月あたり10万リクエストまで無料)。

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