Tableau Japanは2021年9月14日、事業部門ユーザー向けBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアの新版「Tableau 2021.3」(開発元:米Tableau Software)を発表した。同年9月8日から提供している。新版では、ダッシュボードを共有するサーバーで個人用スペースを利用できるようにするなど、各ソフトウェア/サービスに新機能を追加している。
Tableau Japanの「Tableau(タブロー)」は、容易な操作性を特徴とする事業部門ユーザー向けのBIソフトウェアである。Excelファイルや外部RDBMS、Salesforce.comなど各種SaaSのデータなどを取り込んで分析し、ダッシュボード(可視化レポート)画面を作成する。
ソフトウェア/サービスのラインアップとして、スタンドアロンで動作するフル機能版の「Tableau Desktop」のほか、Webブラウザからダッシュボードの共有や簡単なデータ分析が行える「Tableau Server」、そのクラウド版「Tableau Online」、データプレパレーション(整備)ツールの「Tableau Prep」などがある(関連記事:現場向けBI「Tableau 2020.4」、データプレパレーション「Tableau Prep」がブラウザから利用可能に)。
ユーザーの役割(利用可能なソフトウェアの種類)に応じて、3つのライセンスを用意している。いずれも年額制のサブスクリプションモデルで利用できる。最上位の「Tableau Creator」、部門担当者向けの「Tableau Explorer」、ダッシュボート参照機能のみの「Tableau Viewer」の3種類である。
新版の「Tableau 2021.3」では、上記の各ソフトウェア/サービスに新機能を追加している。
Tableau Prepでは、データ加工のタスクをスケジュール登録する際、1つのタスクの完了をトリガーに、他のタスクを連続して実行できるようになった(画面1)。また、新メニュー「新しい行」を追加した。足りない行をテーブルに作成できる。例えば、契約開始日と終了日の期間内のデータを作成するようなケースで活用できる。
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Tableau Desktopでは、初期画面に表示するサンプルワークブックを会社/ユーザーごとに設定が行えるようになった。ユーザー教育などに役立つとしている。空間データの結合機能では、空間データを分析する際、ポリゴンとポリゴン、ポリゴンと線、線と線、の組み合わせで重ねて表示可能になった。例えば、土砂災害危険個所と高速道路の空間データを組み合わせて道路の災害リスクを把握するといった用途に有効である。
Tableau ServerおよびTableau Onlineでは、個人用スペースを追加した。他のユーザーと共有する準備が整っていないダッシュボードなどを、まずは自分専用スペースに置くことができる。また、データ鮮度ポリシーの指定が可能になった。指定の時間で最新のデータを取得する指定によって、サーバー内のキャッシュによる古いデータを除外することができる。
このほか新版では、コミュニケーション/ビジネスチャットツール「Slack」との連携をサポートした。これにより、Tableauからの通知をSlack上で受信でき、分析に関して他の社員とコミュニケーションをとりやすくなるとしている。