ソニーネットワークコミュニケーションズは2021年9月15日、AI予測分析ツール「Prediction One」に、上位プラン「アドバンスプラン」および「エンタープライズプラン」を追加した。マシンラーニング(機械学習)の予測モデルをワンクリックで作成できることをうたう。上位プランに、外部アプリケーションからAI予測分析機能を呼び出すためのAPIを追加している。
ソニーネットワークコミュニケーションズの「Prediction One」は、予測分析ソフトウェアである。マシンラーニング(機械学習)の予測モデルをワンクリックで作成できることをうたう。データの前処理や学習、予測モデルの生成までを自動化できる。Windows環境でスタンドアローンで動作する「デスクトップ版」やSaaSの「クラウドプラン」などがある(関連記事:機械学習の予測モデルをワンクリックで作成、ソニーの「Prediction One」にクラウド版)。
容易に使えることを特徴としている(図1)。マシンラーニングやプログラミングに関する専門知識がなくても、クリック操作だけで予測分析を実行できる。また、予測精度を高める工夫として、適したモデルを選択する技術や、データを前処理する技術を備えている。予測結果と共に予測理由を分かりやすく表示して、分析結果の理解を促し、関係者に対する結果の説明を支援する。
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今回、クラウドプランを拡充し、クラウド型の既存プラン「スタンダード」の上位プランとして、「アドバンス」および「エンタープライズ」を追加した(表1)。これら2つの上位プランでは、外部アプリケーションから予測分析機能を呼び出して使うためのAPIの利用をサポートした。自社アプリケーションや自社業務システムに予測機能を組み込むことで、AIの活用の幅が広がるとしている。
クラウド版プラン | スタンダード | アドバンス | エンタープライズ |
---|---|---|---|
学習の計算時間 | 100時間/月 | 300時間/月 | 問い合わせ |
モデル数上限 | 200モデル | 300モデル | 問い合わせ |
データ保存容量 | 10GB | 100GB | 問い合わせ |
共有スペース | ○ | ○ | ○ |
テクニカルサポート | ○ | ○ | ○ |
価格(税別) | 21万7800円/年 | 132万円/年 | 問い合わせ |
アカウント数 | 1 | 5 | 問い合わせ |
予測APIの利用 | 非対応 | ○ | ○ |
利用イメージ | ・1~2人での利用 ・小規模データを利用 ・PoC、自動化しない業務利用 |
・5名以上のチーム利用 ・中規模データを利用 ・APIでの自動化利用 |
・組織の共通ツールとしての導入 ・大規模データを利用 ・社内研修での活用から、API利用まで幅広くカバー |
Prediction Oneの利用例として、過去の売上を基にした需要予測の自動化を挙げる。予測精度や属人化などの課題をAIによって解消する。また、APIの利用例として、ECサイトのリコメンドを挙げる。過去の実績データを基に予測機能をAPIで呼び出すことで、会員が購買する確率が高い商品を予測し、適した情報を会員に提供できるようになるという。