日本IBMは2022年3月3日、SIサービス「IBM定着化支援サービス for Salesforce」を提供開始した。営業領域でSalesforceアプリケーションを利用しているユーザー企業に向けて、「問題の可視化」「改善案策定と合意」「継続的改善」の3ステップで定着化を支援する。
「IBM定着化支援サービス for Salesforce」は、営業領域でSalesforceアプリケーションを利用しているユーザー企業に向けて、Salesforceの定着化を支援するSIサービスである。日本IBMがこれまで行ってきた、業種業務のコンサルティングの知見をもとに、Salesforceを有効に活用できているかどうかを分析し、取るべきアクションやメンテナンスを提案する(図1)。
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具体的には、「問題の可視化」「改善案策定と合意」「継続的改善」、の3ステップで定着を支援する。
問題の可視化では、Salesforceの導入後、どのように活用されているかを可視化する。認知・理解、受容、徹底、習熟といった定着レベルを調べ、阻害要因を把握する。
改善案策定と合意では、可視化した課題に対し、目指すべきゴールを明確にしながら、トップダウン型の検討とテクノロジドリブン型の施策を組み合わせて展開する。こうして、適切に改善を推進するための計画を立案して提案する。
継続的改善では、機能の改善と運用の変更によって現行システムをより有効に活用していくための「運用支援」と、新領域での適用を検討する「活用支援」の2つのプログラムを提供する。これにより、前のステップで策定した計画を確実に実行できるように継続的に支援する。
Salesforceは、顧客接点の改革や営業プロセス、カスタマーサービス、マーケティングといった一連の営業活動の改革を支援するクラウド型アプリケーションである。「導入して終わりではなく、常に自社の体制やプロセスを変革していくことが求められる。また、新機能なども随時追加されるため、利用方法の改善も必要である」(日本IBM)。
米IBMは、Salesforceの導入を支援したユーザー2100社以上から得た調査データを分析し、営業部門やサービス部門などの顧客接点部門とIT部門を対象に、傾向を検証してきた。この結果、Salesforceを導入した44%のユーザーが「Salesforceの定着化が不十分」または「導入が困難」と回答している。単純なシステム改善だけでは不十分であり、営業業務のプロセスの再検討とシステムの改善の両輪の活動が必要だとしている。