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TED長崎、サーバーラックの電子錠コントローラを販売、 さくらインターネットと共同で開発

2022年3月22日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

東京エレクトロン デバイス長崎(TED長﨑、長崎県諫早市)とさくらインターネットは2022年3月22日、サーバーラック電子錠システム「RMS-EL128」を共同で開発したと発表した。既存のラックに後から取り付けて運用可能であり、電子錠ハンドルと非接触ICカードを使ってラック単位で開錠する。同日付でTED長﨑が受注を開始した。価格(税別)は、ラックごとに必要な子機が1台あたり5万4000円、子機とクラウドサーバーを中継する親機が60万円。2022年夏からはさくらインターネットの一部データセンターで運用を始める。

 RMS-EL128は、。既存のラックに後から取り付けて運用可能な、サーバーラック電子錠システムである(写真1)。電子錠ハンドルと非接触ICカード(FeliCa/Mifare)を使って、ラック単位で開錠する。システムは、クラウド型の管理サーバー、各ラックに設置しカードリーダー機能と電子錠制御機能を持つ子機「RMS-EL128-D」(最大128台)、子機とクラウドサーバーを中継する親機「RMS-EL128-M」(2台の冗長構成)で構成する。

写真1:サーバーラック電子錠システム「RMS-EL128」の外観。各ラックごとに必要な子機(写真上)と、親機(写真下)(出典:東京エレクトロン デバイス長崎、さくらインターネット)写真1:サーバーラック電子錠システム「RMS-EL128」の外観。各ラックごとに必要な子機(写真上)と、親機(写真下)(出典:東京エレクトロン デバイス長崎、さくらインターネット)
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 これまでのデータセンター向け電子錠システムは、20~30基程度のラックを一度に解錠したり、制御パネルなどによって解錠ラックを指定したりするものが一般的だった。また、既存の製品は新規に設置するラックに導入することが前提であり、既存のラックへの取り付けはハードルが高かった。

 これに対してRMS-EL128は、各種のサーバーラックで使える電子錠ハンドルを採用しているため、既存のラックに取り付けて運用可能である。また、権限を持つラックに限って解錠可能であるため、解錠にあたってデータセンターのスタッフが立ち会う必要がない。ラックの施錠状態は、クラウド上で管理・確認可能である。また、子機への電源は親機から制御通信ケーブルを通して供給するため、設置時に大規模な電源工事を行う必要がない。

 子機は電子錠の制御機能を持っているが、解錠の権限情報は持たない。解錠の権限情報はクラウド上で一元管理する仕組みである(図1)。ラック内の配線や制御通信ケーブルの取り外し/切断といった物理攻撃についても、異常を検出可能である。ユーザー企業は、即時の権限変更、一時的な権限付与、異常検知などを一元管理するシステムを、自社のニーズに合わせた形で独自にクラウド上に構築できる。TED長崎が構築や動作検証を支援し、ヘルプデスクサービスを提供する。

図1:サーバーラック電子錠システム「RMS-EL128」のシステム構成(出典:東京エレクトロン デバイス長崎、さくらインターネット)図1:サーバーラック電子錠システム「RMS-EL128」のシステム構成(出典:東京エレクトロン デバイス長崎、さくらインターネット)
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