[技術解説]

世界最大規模のメタバース/VRイベント「バーチャルマーケット」─HIKKY

Ruby開発最前線─Ruby bizグランプリ2021大賞サービスを紹介(2)

2022年3月23日(水)Ruby bizグランプリ実行委員会

日本発のオープンソースのプログラミング言語「Ruby」と、その開発フレームワーク「Ruby on Rails」。これらを用いて開発されたアプリケーションやサービスは数多あるが、その中から、特にすぐれたものを表彰するのが年次アワードプログラム「Ruby bizグランプリ 2021」だ。本稿では同グランプリ2021の大賞に選ばれた2つのサービスのうち、「バーチャルマーケット」(開発:HIKKY)を紹介する。

Rubyのすぐれたビジネス事例を表彰するアワード

 Rubyは、生産性を高めるフレームワークRuby on Railsと共に、世界の多くの開発現場で使われているオープンソースのプログラミング言語である。その普及を促進するために2015年に始まったのが「Ruby bizグランプリ」という年次アワードプログラムだ。Rubyの開発者まつもとゆきひろ氏の活動拠点である島根県が中心になって組織したRuby bizグランプリ実行委員会が主催し、グランプリの審査委員長をまつもと氏自身が務めている。

 アワード名のとおり、Rubyを使って開発されたビジネス用途のシステムやサービスの中から、新規性、独創性、市場性、将来性に富み、今後継続的に発展が期待できる事例を表彰する。前回のRuby bizグランプリ2020では、メディカルノートが開発したデジタルヘルスケアプラットフォーム「Medical Note」(関連記事APIを駆使して“医師と患者をつなぐ”プラットフォームを実現─Medical Note)と、tsumugが開発したワークスペース/シェアオフィスサービス「TiNK Desk」(関連記事操作はLINEから、心地よいUI/UXを追求したワークスペースサービス─TiNK Desk)が大賞を受賞している(関連記事2018~2021年のRuby bizグランプリ大賞を紹介した記事)。


Ruby bizグランプリ2021大賞
バーチャルマーケット https://www.hikky.co.jp/
開発概要:VRイベントプラットフォーム
開発企業:HIKKY
利用技術:
・Ruby(Ruby on Rails、ridgepole、redcarpet、CarrierWave、Omniauth、Doorkeeperなど)
・Node.js(Vue.js、Nuxt.jsなど)
・Google Cloud Platform(App Engine、CloudSQL、Memorystore、Cloud Build)
・AWS(EC2、FARGATE、S3、CloudFront、Route53など)
・GitHub、CircleCI、Docker、Unity、C#、C++など
Rubyを採用した理由:
・最初の開発者の2名が最もパフォーマンスを発揮できる技術選定
・最初の納期が2週間とタイトで、Ruby on Railsの開発スピードと堅牢さが必要だった
・日本語の技術情報が多く、初学者にやさしい
・Ruby on RailsでWebアプリケーションの課題をワンストップに解決できる
・Google Cloud Platformでの利用事例があり、スムーズにデプロイできる
Ruby採用効果:
・エンジニアの世代交代や機能の高度化を経ても、サービスを長期間止めることなく改善を続けられている
・スピーディーな開発が実現できている
審査委員長 まつもとゆきひろ氏コメント:コロナ禍でバーチャル展示会が多数出ている中で成功しているサービス。VRの可能性や、動員力・成長性を評価。

●もう1つのRuby bizグランプリ2021大賞の記事はこちら
関連記事人と山をつなぐ、ハートフルな登山地図GPSアプリ「YAMAP」─ヤマップ

ギネス世界記録を持つメタバース/VRイベント

 HIKKYの「バーチャルマーケット」(図1)は、メタバース/VRによるバーチャルイベントとして世界最大規模を誇る。日本だけでなく世界中から毎回100万人以上が訪れる。2018年8月に初回が開催され、これまでに7回開催されている。

図1:メタバース/VR空間に世界中からアバターが集う「バーチャルマーケット」(出典:HIKKY)
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 世界最大規模を謳う根拠は、ギネス世界記録認定である。「バーチャルリアリティマーケットイベントにおけるブースの最多数」と「バーチャルマーケット6での『1時間でTwitterに投稿されたアバターの写真の最多数』」の2つが登録されている。

 バーチャルマーケットには、3Dモデルのアバターとして参加する。アバターは、バーチャル空間で自身の代わりになるもので、自分自身に似せるだけでなく、自分が表現したい自分自身を表すことができる。ここには、3Dの制作ができる人であれば、だれでもクリエーターとして出展できる。当初はクリエーターの作品、3Dモデルをアピールする場として開催されていたという。

 HIKKYの山本允葵氏(図2)は、バーチャルマーケットで可能な体験について、「メインはお買い物です。その他、ゲーム、映画鑑賞、車の試乗、バンジージャンプなどのアトラクション体験が可能です」と説明する。ショッピングでは、一般的なECサイトで購入できるようなリアルな製品とバーチャルの世界で使用する3Dモデルを販売している。

図2:HIKKY 山本允葵氏のアバター(出典:HIKKY)
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 「何かを作るときに締切がないと、ものづくりがなかなか進まないというのは、どの分野のクリエーターも感じていることだと思います。みんなで同じ目標に向かって突き進むからこそ、『もう間に合わない!』などと言い合い、励まし合ったり、SNSに途中経過を投稿しながらみんなで応援したりといったことも楽しい。こうした活動を盛り上げたいということで始まったのがバーチャルマーケットです」(山本氏)

 開催を重ねるごとに規模が大きくなり、3Dモデルの作品の販売、企業の出展、リアル製品(食品、PC、洋服など)の販売と、参加者増だけでなく、会場でできる体験の幅も広がっていった。3Dモデルの種類も増え、クリエーターが作成したアバターや、アバターを装飾する洋服や髪飾り、アバターを動かすモーション、メタバース上の部屋、そこに置くインテリアなどがさまざまなものが販売されている。

●Next:大丸松坂屋とBEAMSの事例に見るリアル店舗での活用

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