サッポロホールディングスは2022年3月22日、デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略を推進するための「4つのDX事業環境整備」と「3つのグループDX方針」を発表した。顧客およびサッポログループの事業価値の最大化に向けて取り組む。「全社員DX人財化」を掲げて、全社員のリテラシー向上と推進リーダー育成のための「DX・IT人財育成プログラム」を同年2月より開始している。
DX推進を目指す4つの環境整備と3つの方針
サッポロホールディングスは、顧客とサッポログループの事業価値最大化に向けてDXを推進するための「4つのDX事業環境整備」と「3つのグループDX方針」を策定、2022年3月22日に発表した。
同社は2020年にグループ経営計画2024を策定しており、基本方針の1つに「シンプルでコンパクトな企業構造の確立」を挙げている。これは顧客のニーズに即応するためのシンプルな事業軸主体の組織構造、および顧客の価値創造に寄与する仕組みへの変革を指している。その具体的方策の1つとして、DXやBPR(Business Process Re-engineering)の推進を掲げており、すでにRTD(Ready to Drink、注1)商品開発スキームのデジタル化や、グループ新規事業であるレシピ提案アプリ「うちレピ」の立ち上げなどから取り組みが始まっている。
注1:RDT(Ready to Drink)は、栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料のこと
策定したグループDX方針は、「お客様接点を拡大」「既存新規ビジネスを拡大」「働き方の変革」の3軸からなる。DX推進を加速するとともに、グループ経営計画2024の達成、顧客のニーズに即応できる組織やマインド変化を目的とする(図1)。それらの方針を「人財育成・確保」「推進組織体制強化」「ITテクノロジー環境整備」「業務プロセス改革」の4つのDX事業環境整備の基で推進していく。
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「人財育成・確保」では、DXを推進する人材の育成や全社員のデジタルリテラシー向上を実施し、グループ全体の戦略推進力向上を図る。採用や外部人材登用により専門人材を強化する。「推進組織体制強化」として、サッポロホールディングス経営会議に属するグループDX・IT委員会を新たに設置、グループ各事業会社のDX推進を支援する。加えて、サステナビリティ経営の推進につなげていく。
「ITテクノロジーの環境整備」では、セキュリティを確保しながら、グループ全体のデータを蓄積・集約する総合データプラットフォームを構築。経営から現場まで、共通・同一のデータを基に戦略策定・意思決定が行えるようにし、課題解決力の向上を図る。
「業務プロセス改革」は、将来の業務・会社のあり方・働き方(=DX)へシフトするために必要不可欠な活動として2018年から開始しており現在も継続中である。 2022年12月には、グループ全体で約36万時間(約220人分の労働)の業務効率化達成を見込んでいる。
これらの戦略・組織体制の下でDXを推進し、グループ経営計画2024に掲げる各指標の実現を目指していく(図2)。
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