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レッドハット、クラウド基盤構築自動化の「Ansible Automation」をAzureからマネージド型で提供
2022年5月19日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
レッドハットは2022年5月19日、クラウド基盤構築を自動化する「Red Hat Ansible Automation Platform on Microsoft Azure」の一般提供を開始したと発表した。パブリッククラウドのMicrosoft Azureから、Ansible Automationをマネージド型で提供する。現在は北米で利用可能で、全世界で利用可能になる予定である。米レッドハットが2022年5月10日(米国現地時間)に発表した内容を紹介している。
米レッドハットが「Red Hat Ansible Automation Platform on Microsoft Azure」の提供を開始した。構成管理ツールの「Red Hat Ansible Automation Platform」(以下、Ansible)を、パブリッククラウドのMicrosoft Azureからマネージド型で提供するサービスである。現在は北米で利用可能で、全世界で利用可能になる予定である。
Azureから提供するAnsibleの特徴として、AzureとAnsibleの課金を統合しているほか、Azure環境に固有な既存の自動化プロセスなど、すぐに使用可能な自動化コンテンツを利用可能である。また、システム基盤にAzureを使うことで、クラウド上にシステムを迅速に展開できる。
Ansibleは、クラウド基盤の構築を自動化する構成管理ツールである。複数のサーバー機で成り立つシステムの構成を、コードベースで制御可能なIaC(Infrastructure as Code)ツールとして提供している(関連記事:レッドハット、構成管理ツール「Ansible」の有料版「Ansible Engine」を販売)。
Ansibleは、Python言語が使える個々のサーバー機にSSHでリモートアクセスし、個々のサーバー機に対して、各種ソフトウェアのインストールや設定ファイルの更新を行う。対象となるサーバー上で実行する処理は、Playbookと呼ぶ定義ファイル(YAML形式)に記述する。製品ベンダー各社が、自社製品をAnsibleから操作するためのモジュールを提供している。
Ansibleは、ある操作を何度実行しても常に結果が同じになる性質である冪等性(べきとうせい)を担保する。例えば、パッチ配布ソフトウェアのインストール時に、既に適用済みであれば処理をスキップする。ユーザー側では、サーバーの状態を事前に確認したり、条件分岐によって処理を切り替えたりする必要がない。
Ansibleの新版である2.2(現在はテクニカルプレビュー)では、新機能として、自動化コンテンツの署名を検証する「Ansible content signing technology」を備える。これにより、自動化コンテンツが組織のセキュリティとコンプライアンスの需要に適合することを確認のうえで利用できるようになる。