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長野県塩尻市、全小中学校の教職員向けに同時接続350台のVDI、従来PC環境を撤廃

2022年5月20日(金)IT Leaders編集部

長野県塩尻市教育委員会は、教職員向けのデスクトップ仮想化基盤(VDI)を構築し、2021年9月に稼働開始した。これまで一般的なPCを使っていたのをVDI化し、運用管理コストの削減やマルウェア感染、情報漏洩などのセキュリティリスクの低減を図っている。また、小中学校教員の環境を統合したことで、ラックスペースが2ラックから1ラックになり、電力消費量を抑えている。システム構築を担当したネットワールドが2022年5月19日に発表した。

 長野県塩尻市教育委員会は、教職員向けのデスクトップ仮想化基盤(VDI)を構築し、2021年9月に稼働開始した。

 同市の小中学校教職員はこれまで、一般的なPC(ファットPC)を利用していたため、PCの運用管理に多くの時間と手間を要していた。また、PCへのデータ保存に制約がなかったことから、マルウェア感染や情報漏洩などのセキュリティリスクが懸念されていた。

図1:長野県塩尻市教育委員会が構築した、市内全小中学校向けVDIのシステム構成(出典:ネットワールド)図1:長野県塩尻市教育委員会が構築した、市内全小中学校向けVDIのシステム構成(出典:ネットワールド)
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 これらの課題を解決するため、PC環境をVDIに移行した。2016年にシトリックス・システムズ・ジャパンの「Citrix XenApp」を小学校教員向けに導入し、その後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うリモートワークの需要増から、中学校教員向けに「Citrix Virtual Apps」を導入した(図1)。

 中学校教員向けの導入に合わせて、それまで別々に稼働していた小学校教員向けと中学校教員向けの2つのVDIを統合。新たにストレージ「HPE Nimble Storage HF20」を採用した。サーバーは「HPE ProLiant」のため、保守を一本化できた。また、Virtual Appsにリモート接続する負荷分散デバイス「Citrix ADC」とマトリックス認証を連携させて、セキュリティと利便性の両立を図った。

 新しいVDIは、2021年9月より稼働開始。自宅でも学校と同じ環境で作業できるようになり、コロナ禍においても校務や承認・決裁業務などが滞る心配がなくなった。また、育児・介護などの事情を抱える教職員も自由な時間の使い方が可能になった。休日作業の際なども、学校まで出向く必要がない。

 以前のPC環境よりもファイルアクセスや通信が速くなったと評価している。さらに、通常の校務だけでなく、Web会議システムでのリモート会議も、Citrixの機能によって快適になったという。インフラ面では、小・中学校のVDIを統合したことで、ラックスペースが2ラックから1ラックになり、電力消費量の低減も実現している。

 システムの運用も容易になった。Nimble Storageは、AI/クラウド技術を用いた監視・予兆分析ツール「HPE InfoSight」を備えているが、塩尻市教育委員会は実際にコントローラの障害予兆を早期に検知し、実際にトラブルが発生する前に対応できたという。

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