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三菱地所がデータ連携/分析基盤を構築、“まちのUX LOOP”構想実現へ

2022年9月21日(水)神 幸葉(IT Leaders編集部)

三菱グループの中核で総合不動産ディベロッパーの三菱地所は、多様なタッチポイントを介して収集したデータを基にした顧客体験向上に取り組んでいる。そこで必須だったのが、膨大なデータを集約・管理・分析する仕組み・プラットフォームの構築だ。2022年9月14日開催の「Informatica World Tour 2022」(主催:インフォマティカ・ジャパン)に三菱地所 DX推進部 マネージャーの芦垣潤平氏が登壇。課題解決に向かって、社内/クラウドの境界なくデータ連携・分析が可能な共通基盤を構築した取り組みを紹介した。

 オフィスビル、商業施設、住宅、空港、ホテルの開発、賃貸販売管理など広範な事業を展開する総合不動産ディベロッパーの三菱地所グループ。35万戸のマンション管理や、東京の大手町、丸の内、有楽町エリアで28万人の就業者、運営商業施設の総来客数は年間2億人と膨大なタッチポイントを有している。

 そんな三菱地所がコロナ禍で生活様式が変化した中で目指すのがオンラインとオフラインを融合した街での体験の提供である。同社がタッチポイントを介して提供するアプリケーションからビッグデータを収集・分析し、その成果をデジタル時代の顧客体験に還元するという「まちのUX LOOP」構想を掲げている(図1)。

図1:まちのUX LOOP構想の構成要素である「Machi Pass」(出典:三菱地所)
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 しかし、この大規模な構想を実現するのに必要十分な、データ基盤をはじめとするデータの扱い方に関する全体像の整理ができていなかった。「まずはデータ収集から整形・蓄積、分析に至るデータマネジメントの仕組みを網羅的に整える必要があった」(三菱地所 DX推進部 マネージャー 芦垣潤平氏、写真1)わけだ。

 芦垣氏らは、ビッグデータを処理するフレームワークとして、ラムダアーキテクチャ(注1)をを検討。その結果、 バッチレイヤーとスピードレイヤーに共通的仕組みが存在しておらず、データを効率的に運ぶ仕組みであるデータ連携基盤、社内システムの連携が不十分であるといった課題が浮かび上がった。「当社に必要なのは効率的にデータを連携する仕組みで、社内ネットワークとSaaSを相互にデータ連携可能なハブ・基盤の構築に動いた」(芦垣氏)という。

注1:ラムダアーキテクチャ(Lambda Architecture)は、分散ストリーム処理計算フレームワーク「Apache Storm」を開発したネイサン・マーズ(Nathan Marz)氏が2012年に提唱したアーキテクチャ。バッチ/スピード/サービスの3層構造で膨大なデータを効率的に処理する仕組みを提供する

写真1:三菱地所 DX推進部 マネージャーの芦垣潤平氏

●Next:三菱地所が考えるクラウド時代のデータ連携・分析基盤

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