フィンランドのAiven（日本法人：Aiven Japan）は、PostgreSQLやApache Kafkaなどのオープンソースのデータ処理ソフトウェアをマネージドサービスとして提供しているベンダーである。2022年10月26日、新サービスの提供予定を含む直近の動向を発表した。2022年9月にKafka用のガバナンスツールを提供していたオランダのKafkawizeを買収しており、2022年内にAivenのサービスに組み込んで提供する。また、同年10月13日には、国内クラウドベンダーとしては2社目となるさくら情報システムと販売契約を結んだ。同年末から2023年初頭に、オープンソースの列指向データベース/データウェアハウスの「ClickHouse」をAivenのサービスとして提供する。
フィンランドのAiven（日本法人：Aiven Japan）は、PostgreSQLやApache Kafkaなどのオープンソースのデータ処理ソフトウェアを、パブリッククラウド上でマネージドサービスとして提供しているベンダーである。デプロイ可能なソフトウェアは、データ収集、データベース、データ分析、データ可視化の全工程をカバーする（図1）。
図1：Aivenがクラウド型のマネージドサービスとして提供するデータ処理ソフトウェア（出典：フィンランドのAiven）拡大画像表示
デプロイツールとしての側面と、マネージドサービスとしての側面を併せ持つ。ユーザーは、Web管理画面を通じて所望のデータ処理ソフトウェアをAWS/Google Cloud/Azureなどのパブリッククラウドにデプロイし、これをマネージドサービスとして月額固定料金で利用する形になる。
デプロイ時には、デプロイしたいデータ処理ソフトウェアを選び、デプロイ先のクラウドとリージョンを選び、サーバースペックを選ぶ（画面1）。これにより、データ処理ソフトウェアの利用料として月額固定料金を提示するので、問題がなければデプロイする。
画面1：AivenのWeb管理画面。データ処理ソフトウェアを選んで所望のクラウドにデプロイできる（出典：Aiven Japan）拡大画像表示
マネージドサービスは、システム運用面で、データのバックアップ、サーバーの冗長化と障害発生時の自動復旧、セキュリティ対策などの機能を標準で備える。このほか、画面のマウスクリック操作だけで、データ処理ソフトウェアのバージョンアップや、他のクラウドへのマイグレーションなどが可能。サーバースペックの変更は、DNS情報（サーバーノード）の切り替えによって、ダウンタイムなしに行える。
直近では、2022年9月末に、IoTデータの収集などに向いたメッセージキューであるApache Kafka用にGUI運用ツールを提供していたオランダのKafkawizeを買収した。2022年内にAivenのサービスに組み込んで「Apache Kafka governance with Klaw」の名称で提供する予定である。Kafkaの利用を簡単にするツールであり、ユーザーの役割に応じたアクセス権限などをGUI上で設定可能である。
2022年10月13日には、国内ベンダーとしては2社目となる、さくら情報システムと販売契約を交わした。国内では、Google Cloudの導入支援サービスを提供するクラウドエースもAivenのサービスを提供している。
2022年末から2023年初め頃には、オープンソースの列指向データベース/データウェアハウスの「ClickHouse」をAivenのサービスとして提供する。
