群馬大学医学部附属病院(群馬県前橋市)は、情報管理システムを2022年9月に新システムへと切り替えた。病院システムを止めないことを重視し、障害発生時でも稼働を継続できるように、サーバー仮想化技術を用いてシステムを2重化し、可用性を高めた。合わせて、サイバーセキュリティ対策も強化している。ハードウェアの構築・運用を担当したユニアデックスが2022年11月18日に発表した。
群馬大学医学部附属病院は、情報管理システムを2022年9月に新システムへと切り替えた。病院システムを止めないことを重視し、停電によるサーバー障害などが発生しても稼働を継続できるように、サーバー仮想化技術を用いてシステムを2重化し、可用性を高めた。合わせて、サイバーセキュリティ対策も強化している(図1)。
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同病院のシステム更改は、2015年以来7年ぶり。同病院の外来診療では、1000人以上の医師が同時に電子カルテを利用する。「人命に関わるシステムなので、1秒たりとも止めることが許されない。稼働信頼性を向上させるとともに、障害発生時の原因の切り分けや復旧時間の短縮が求められていた」(ユニアデックス)。
新システムでは、物理サーバーで運用していたほぼすべての病院内システムを、ヴイエムウェアのサーバー仮想化基盤に統合した。仮想サーバーを動かすサーバーとストレージには、ストレージ仮想化ソフトの「VMware vSAN」が動作するHCIアプライアンスを採用した。
電子カルテシステムには、ピュア・ストレージ製フラッシュストレージを採用した。従来システムと比較してレスポンスが最大13倍に向上したという。同ストレージが備える機能により、ランサムウェアによってデータが暗号化されてしまった場合も、これを復旧できるようにした。