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[IT Leaders Tech Strategy LIVE[ビジネスプロセス刷新]その最新手法と先行事例]
プロセスのデジタルツインが変革を加速、ERPのノウハウで業界内での自社の立ち位置も明確化
2022年12月13日(火)
絶え間ない環境の変化にさらされるなか、「顧客視点での最適な価値追求」の重要性は高まる一方だ。その実践に向け鍵を握るのが、顧客に価値を届ける一連の手順であるビジネスプロセスの把握と、価値最大化に向けた持続的な見直しだ。11月25日にオンライン開催された「DXジャーニーの前提 [ビジネスプロセス刷新] その最新手法と先行事例」(主催:インプレス IT Leaders)に、SAPジャパン ソリューション事業推進部 シニアビジネスデベロップメントの森中美弥氏が登壇。プロセス把握/管理のデジタル化の意義を説明するとともに、成果を最大限に引き出すアプローチについて解説した。
顧客視点での最適な価値追求は“デジタル”が鍵
新型コロナに端を発した世界的な景気減退やサプライチェーンの分断、急速な為替変動など、我々はこの数年で、今まさに変化の時代の真っ只中にいることを改めて痛感させられた。そのなかでの企業経営で立ち返るべき基本が、「顧客視点での最適な価値追求」だ。
「そこで不可欠となるのが、“業務にとっての顧客”に価値を届ける一連の手順であるビジネスプロセスの把握です」と指摘するのは、SAPジャパン ソリューション事業推進部 シニアビジネスデベロップメントの森中美弥氏だ。ここで言われる“業務にとっての顧客”とはビジネスプロセスの利用者を指し、一般消費者に限らず取引先企業や従業員など、プロセスによって多岐にわたる。
「変化により“最適”な価値が目まぐるしく変わるなか、プロセスの事前把握を抜きには、何を、どう変えるべきかの検討/判断も困難です」(森中氏)。
ただし、それが実に厄介だ。出発点は現状のプロセス把握だが、ビジネスの高度化に伴う業務の複雑化や個別最適化、レガシーシステムに起因するブラックボックス化などもあり、取り組みは一筋縄ではいかない。加えて、最適化を目指すには、どう変えるかの多角的な分析なども不可欠となる。
そこでの“在るべき姿”として森中氏が提示したのが、デジタルによるプロセス把握/管理である。
「プロセスマイニングツールを使えば、システムログなどを基に業務の洗い出しも実施できますが、まず設計図として業務をどのように進めるつもりなのかを把握することが重要です。その設計図をデジタルツインとして用いることで、多様なシミュレーションによる事前の効果検証や、マイニングと併せての稼働後の状態把握を効率的に実現可能です。プロセス変革の判断は人でしか行えません。デジタル管理によるこれらの効果を通じて、顧客価値に直結するこの作業に集中して継続的に取り組めるようになります」と森中氏は強調する。
階層構造のプロセス把握で全社業務を漏れなく可視化
こうした活動の包括的な支援に向け、SAPが提供するのが「SAP Signavio Process Transformation Suite」である。現状把握のための「As-Is分析」から、変革のための「To Be設計とシミュレーション」、展開に向けた「改善策の実装」、「To-Be展開」、さらなる見直しに向けた「モニタリング」までの、持続的なビジネスプロセス刷新に必要な機能を網羅するビジネスプロセス・トランスフォーメーション・スイートだ(図1)。
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その特徴としてまず挙げられるのが、プロセスの階層型の可視化による把握性の高さだ。具体的には、事業部レベルの全体像を俯瞰する「バリューチェーン」、事業のおおまかなプロセスの流れを表す「プロセスエリア」、プロセスを担当者レベルで明確化する「エンド・ツー・エンド」「サブプロセス」という構造で、いわば入れ子状に管理。抜けや漏れ、重複を回避しつつ、経営から現場までの職責に応じた、階層の切り替えによる分かりやすい把握を実現している。
プロセス設計も容易だ。BPMN2.0に準拠した、ドラッグ&ドロップにより直感的に記述できる複数のエディターを標準で用意。システムやロール、契約書などの業務プロセスに関する情報の標準化と再利用により、作業の効率性も高められている。
各業務プロセスの属性情報は一元管理されており、プロセス変更時の関連部署への通達もそれだけ容易だ。
「担当者やシステム、ドキュメントのほか、タスク停止時のリスクと対応法などもプロセスに紐づけて管理でき、信頼できる唯一の情報レポジトリとして利用できます。変更履歴も自動記録され、変更管理やレビュー作業の効率化にも力を発揮します」(森中氏)。
プロセスの各タスクにリソースや所要時間、コストなどの情報を紐づけたシミュレーションにも当然対応している(図2)。候補シナリオの実施によるボトルネックの可視化などを通じて、最適なTo-Beモデルの見極めを支援する。
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ERPの知見に基づくベンチマークで自社の立ち位置も可視化
持続的な改善に向け、関係するあらゆる部署でプロセスを共有すべきことは明らかだ。それを叩き台に、現場からの草の根の改善アイデアも大いに期待される。そのための情報共有の“場”も用意されている。従来、各業務用のFAQなどは分散管理されがちだったが、各プロセスと紐づけたうえでそこから一元的に公開することで、プロセスに関する情報やコミュニケーションを集約でき、業務効率性もそれだけ高められる。
「業務プロセス図を分析結果と連携させて公開することで、データに基づく業務運営も実現します。フロー図へのコメントの共有により、関係者間でのコミュニケーションの深化も促せます」(森中氏)。
プロセス改善のためには、目標ごとに重視すべきプロセスが異なるため、新たな知識やノウハウの習得も必要だ。その支援にもSAP Signavioは余念がない。一例が、SAPのERPユーザーを対象に、ERPベンダー大手としての独自ノウハウを基にプロセス監視や分析の手段を定義済みの分析パッケージとして提供する「SAP Signavio Process Insights」だ(図3)。
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「システムログの吸い上げの定義や、利用機能ごとの着目すべきパフォーマンス、ボトルネックの確認方法などを詰め込んだダッシュボードになります。導入も極めて簡単で、いわばプラグ・アンド・プレイで、翌日にはボトルネックの確認が可能です。SAPが提供する事前定義済みのRPAなどの推奨コンテンツもお伝えします」(森中氏)。
SAPのERPユーザー以外にも、自社プロセスの現状の客観把握に大いに役立つ、汎用的なプロセスマイニングの機能も提供。データ取得用のテンプレートやプロセスごとの分析用メトリックなど、プロセスマイニングに有益な事前定義済みのいくつものパーツに加え、データの相関関係の自動分析機能なども提供している。今後ERP以外にも業界標準プロセスなどに対する機能が強化されていくという。
さらなるプロセス改善のための機能も続々
その上で、SAPでは今後、SAP Signavioのさらなる利便性の強化を推し進める考えだ。業界別のベストプラクティスや、標準となるプロセスフロー図、ベンチマーク、データ、プロセス高度化に向けたメソドロジーなどの拡充や、顧客満足度とカスタマージャーニーを突き合わせての分析機能などの実装が代表的なものだ。
「デジタル化を出発点に、環境が変化し続けるなか、顧客起点で改善サイクルを回し続けることが生き残りのために不可欠。SAP Signavioは、その活動を一貫かつ多面的に支援します」(森中氏)。
SAPではSAP Signavioの無料トライアル環境をWeb上で提供するほか、活用のための情報をまとめたブログも公開している。変化が激しさを増すなかでの生き残りに向け、まずは試してみて損はないだろう。
●お問い合わせ先
SAPジャパン株式会社
フリーダイヤル 0120-786-727
Web https://www.sap.com/japan/registration/contact.html