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[IT Leaders Tech Strategy LIVE[ビジネスプロセス刷新]その最新手法と先行事例]
不確実な時代に目指すべきはオペレーショナル・エクセレンス―プロセスモデリングとプロセスマイニングを両輪にDXを加速
2023年1月30日(月)
激しい変化の中での競争優位性の確立に向け、組織的な業務品質の向上を目指す「オペレーショナル・エクセレンス」への関心が高まり続けている。どう推進していくべきなのか。2022年11月25日にオンライン開催された「DXジャーニーの前提 [ビジネスプロセス刷新]その最新手法と先行事例」(主催:インプレス IT Leaders)に、ソフトウェア・エー・ジーのARIS プリセールスでシニアソリューションアーキテクトを務める龍澤昭悟氏が登壇。9つの手法から成る持続的な改善アプローチについて具体的に解説した。
オペレーショナル・エクセレンスに向けた“戦略資産”
徹底的に磨き上げたオペレーション品質により、他社の追随が困難なほどの競争優位性を組織として確立する「オペレーショナル・エクセレンス」。実現の暁には、末端の社員までの事業フローの把握と改善カルチャーの醸成を両輪に、継続的かつ全社的なオペレーション改善が実現することも、これまでの研究からすでに明らかとなっている。
外部環境の変化が激化する中、いち早い対応の策として、オペレーショナル・エクセレンスへの関心は高まる一方だ。DXで目指すべき取り組みの在り方と重なる部分の多さもそれを後押しする。
では、それをどう実践すべきなのか。「そのための戦略資産と位置づけられるのが、当社が手掛けるDX支援ツールのARISです」と力を込めるのが、ソフトウェア・エー・ジーのARIS プリセールスでシニアソリューションアーキテクトを務める龍澤昭悟氏だ。
龍澤氏はARISを、「戦略」「プロセス」「顧客」「組織」「リスク/コンプライアンス」「社員」「品質」「IT」「パフォーマンス」など、あらゆるDXのユースケースをサポートするツールだと説明する(図1)。
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「オペレーションの見直しの出発点は、言うまでもなく現状把握です。ARISは、独自のエンタープライズモデルにより、プロセスの全社から個別までの階層立てた記述とともに、プロセスを中心としたデータやシステム、さらに組織のつながりの“縦”と“横”の可視化を通じて、それらを単一レポジトリで集約管理します。その使い勝手の高さと応用範囲の広範さから、DXはもとより、SAP導入や監査管理などでも活用されています」(龍澤氏)。
戦略策定用のモデルでジャンプアップスタートを
ARISは次の9つの側面からオペレーショナル・エクセレンスの推進を支援する。
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1つ目は、「明確な戦略の確立」だ。変革には確固とした方向性が不可欠だ。それを欠いては個別の判断でのブレがあり、全社一丸となった全体最適など望むべくもない。ただ、戦略策定は分析や定義、方向性の決定などで多大な手間を要す、一筋縄ではいかない作業だ。
そこでARISでは、活用を見込めるビジネスモデルキャンバスやバランススコアカード、SWOT分析などのモデルを標準でサポート。レポジトリで管理された各種データに基づく、ビジネスの重要性やその重要性好要因、戦略と関連する目標などの横断的な可視化も相まって、戦略モデリングやリーンマネジメントなどのジャンプアップスタートにつなげることも可能だという。「メモベースで議論していては、こうした効率的な思考の整理は到底困難です」(龍澤氏)。
2つ目は、「柔軟性の高い設計」だ。ARISによるプロセスの描きやすさであり、BPMNやEPCに対応した使いやすい記述ツールがそれを支援する。
3つ目が、「効果的な展開」だ。変革のためには組織的な意識統一が欠かせない。その点、ARISでは単一レポジトリによるプロセスや各種情報の全社共有を通じて、全プロセス担当者と効率的にコミュニケーションを取れる。役職などに応じて、同一情報の見せ方を変えることでより深い理解も促せる。
4つ目が、「すべてのステークホルダーの参加」だ。閲覧画面にもコラボレーション機能が用意されており、内容の共有だけでなく、変更要求の提出や承認の要求などにも活用できる。「承認要求を広く公開するような設定など、柔軟性にも配慮を払っています」と龍澤氏は語る。
5つ目が、プロセス品質を高める“肝”の「継続的な改善」だ。プロセス改善の流れは、各種の改善要求を基にした「プロセスやITビューなどの見直し」「形式と内容の審査の実施」「新たなコンテンツの承認/却下」「新プロセス/システムに従ったトレーニング」と進み、その過程で新たな改善要求が生まれることもしばしばだ。ARISでは、そこで情報が錯綜して混乱をきたさないよう公開範囲や情報の流れを最適な形に規定し、効率的な改善を支援する。
事故を“糧”とする仕組みで失敗に終わらせない
6つ目が、「エンド・ツー・エンドの分析」だ。ARISでは「戦略重要性マトリクス」などのダッシュボード表示や分析機能により、プロセスごとの重要性を視覚的にわかりやすく把握でき、全プロセスの中で何から着手すべきかなどの意思決定を支援する(図3)。
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7つ目が、「コンプライアンスの遵守」だ。企業の社会的な信頼度を高め、企業価値を維持するうえでもコンプライアンスは企業の経営課題の1つだ。その遵守に向けた「統制」「統制実行の定義」「検査実施者、検査評価者」に加え、統制の原因や判断基準となる「リスク」や「コンプライアンス」などもARISではプロセス図に盛り込み、業務に着実に反映させられる。万一の事態に際しても、こうした備えにより原因をいち早く突き止め、対応につなげることが可能だ。
8つ目は、「統合リスク管理」だ。各プロセスでは事故の発生も考えられる。その内容や損失などのドキュメントとともに、プロセス実行者やリスク評価などの情報もプロセスに紐づけて管理でき、事故をいわば“糧”として、その後のプロセス最適化とリスク軽減を推進できる。
9つ目が、プロセスマイニングによる「継続的な監視と分析」だ。日々の出現率が高いプロセスを検出し、その中で非効率なプロセスを特定し、改善するプロセスを確立していくわけだ。
「この9つの流れに沿い、プロセスモデリングとプロセスマイニングを両輪にプロセス展開を繰り返すことがオペレーショナル・エクセレンスに向けた現実解です」と龍澤氏は訴える。
オペレーショナル・エクセレンスの原動力として
龍澤氏が他のDX支援ツールに対するARISの優位性として挙げるのが、プロセス図での各項目間の関係性の可視化の“深さ”だ。例えば、販売プロセスにおいて「販売員」による「文書の確認」という業務がある場合、接続線をクリックすると、その業務での項目間の関係性を詳細に確認できる。
「これらの情報はDBで管理されており、目的ごとの多様なフォーマットで出力できるなど、利用の自由度が高められています」(龍澤氏)。
市場初のBPAツールとして1992年にリリースされたARISは、以来、プロセス最適化のための機能を強化し続けることで、今では世界70カ国で1万以上の顧客を獲得(図3)。国内でも大手信販会社や清涼飲料メーカーなどがユーザーに名を連ねる。Forresterコンサルティングによると、ARISの導入を通じ、3年間の投資収益率は301%、総利益は約800万ドルになるとのレポートもある。ソフトウェア・エー・ジー自身も、本国ドイツではSAPに次ぐ2位、欧州全体で7位の売り上げ規模のある、グローバルのソフトウェアベンダーだ。
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オペレーショナル・エクセレンス、さらにDXのエンジンとして、ARISに対する信頼は、今後さらに高まることになりそうだ。
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