NECは2022年12月20日、産業向けIoTプラットフォーム「NEC Industrial IoT Platform」において、同プラットフォームと連携する2つの新サービスを提供開始した。「ものづくりDX改善ガイド」と「サプライチェーンアナリティクス基盤サービス」である。関連サービス全体で、2023年度から2025年度までの累計100億円の売り上げを目指す。
NECの「NEC Industrial IoT Platform」は、IIoT(Industrial Internet of Things:産業向けIoT)構築・運用のためのプラットフォームである。工場など現場(設備・人)のデータに加え、サプライチェーン上の出来高・品質・在庫データなど、ものづくりに関連したデータを集約し、可視化・分析する。
今回、同プラットフォームと連携する2つの新サービスを提供開始した。「ものづくりDX改善ガイド」と、「サプライチェーンアナリティクス基盤サービス」である。
ものづくりDX改善ガイドは、各種データを最大限に有効活用して改善活動を進めるためのガイドライン文書である。NECが自社で実践してきた改善活動・ノウハウを盛り込み、データの活用方法に悩む製造現場の管理者に向けて提供する(図1)。
生産設備の7大ロスについて、KPIツリーで全体を俯瞰する。設備やラインの時間稼働率(停止ロス)の低下、サイクルタイムの悪化、良品率の悪化といった課題ごとにデータの収集方法や分析手順、改善事例が得られる。
課題解決に向けた改善のシナリオを21種類を提供する。また、KPIとひもづく改善シナリオ、標準化した画面、ユーザーが自由に分析できるサンプルデータ、初心者でも利用可能なガイド類などを一式揃えている。
「ガイドに沿うことで、基幹システムや生産実行システム(MES)などのデータを統合し、製造指示データから、設備・人、検査実績まで、各種の項目で関連付けたデータモデルを保有できるようになる。設備稼働と品質不良発生が同時に分かり、工場・会社を横断した分析が可能になる」(NEC)
サプライチェーンアナリティクス基盤サービスは、サプラチェーン全体で品目群別にストックポイントの在庫状況を分かりやすく可視化・分析するアプリケーションと、在庫適性化に向けた分析サービスをセットで提供する。どの工程で生産の過剰・不足があるかを可視化し、過剰生産を抑え、在庫の適正化を実現する(画面1)。