[調査・レポート]
インフレ圧力や景気後退、グローバル経済の変化がIT投資に与える影響は?─ガートナー
2023年1月12日(木)神 幸葉(IT Leaders編集部)
ガートナージャパンは2023年1月11日、「世界的な景気後退期における日本企業のIT投資への影響に関する調査」の結果を発表した。自社のビジネス成長に対する脅威として、5割以上の回答者がグローバルなインフレ圧力と景気後退を挙げ、グローバル経済環境の変化が日本企業のマインドに影響を及ぼしていることが明らかになっている。そのうえで、同社アナリストがIT投資への影響を分析している。
ガートナージャパンは、「世界的な景気後退期における日本企業のIT投資への影響に関する調査」は、国内企業の「ITを利用する/IT導入に際し決定権がある企業内個人」を対象にして、2022年8月に実施した。
図1は、自社のビジネス成長にとって脅威となる外部環境要因を尋ねた結果である。「長期的で制御不能なグローバルなインフレ(原材料・製品/サービス価格上昇)圧力」(55%)、「グローバル/あるいは地域的な景気後退」(51%)がいずれも半数を超えている。グローバルでの経済環境の変化に伴うインフレ圧力や景気後退が、日本企業のマインドに影響を及ぼしていることが結果に表れた形だ。
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ガートナージャパン プリンシパル リサーチャーの成澤理香氏は、国際通貨基金(IMF)の「World Economic Outlook Database, October 2022」から引用し、日本の2022年インフレ率(消費者物価指数平均値の前年比上昇率) の見通しは1.989%で、G7中最も低位にあることを示した。「その一方で、今回の調査では、日本企業がグローバルの経済環境の変化を敏感に脅威と捉えていることが示されている」(成澤氏)。
調査では、現在のマクロ経済の不確実性 (市場、グローバルなインフレ、利率など)に対し、経営企画やCFO/財務部門から求められている対応についても尋ねている。図2がその結果で、「集中的な業務改善」(52%)、「支出の削減」(51%)に回答が集中している。成澤氏は次のように見ている。
「今回の調査は、IT部門だけでなくユーザー部門も回答しているため、支出の削減が必ずしもIT支出の削減につながるわけではない。むしろ、グローバルでのインフレや円安の影響が強まる中、ITの活用により支出の削減につながる施策を積極的に取り入れようと考える企業も多いだろう」。
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