BIツールベンダーの米Tableau(タブロー)が日本市場へ参入して10年、米セールスフォース(Salesforce)の買収・グループ会社化から3年が経過した。セールスフォース・ジャパンは2023年1月18日、Tableauの事業戦略説明会を開き、今日のユーザー企業における分析ニーズを踏まえた新機能「Salesforce Customer Data Cloud, powered by Tableau」を含めたTableauの製品戦略やロードマップを説明した。
説明会の冒頭、セールスフォース・ジャパン 常務執行役員 Tableau事業統括 カントリーマネージャーの佐藤豊氏(写真1)が登壇。「企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する中で、データはますます重要な位置づけになる」として、日本企業におけるデータ活用の現状について言及した。
写真1:セールスフォース・ジャパン 常務執行役員 Tableau事業統括 カントリーマネージャーの佐藤豊氏セルフサービスBIなどとも呼ばれるTableauは、「データスペシャリストや統計学者などデータの専門家ではない、あらゆる人がデータのプロフェッショナルになれる」(佐藤氏)ためのツールとして生まれ、10年にわたって進化しながら提供されてきた(図1)。
図1:あらゆる人のデータ活用を支援してきたTableau(出典:Salesforce)拡大画像表示
一方で、データコンシューマー(データの専門家ではない従業員)が、TableauのようなBIツールが導出したインサイトを会議やコミュニケーションで容易に活用できるようになるには、まだ課題が残っているという。Tableauの調査では、CEOの83%が「データはDXのカギとなる」という認識を持つが、一方で、自身が属する組織がデータドリブンな組織であると考えている従業員はわずか30%にとどまるという結果だった。
「組織、社会全体でいかにデータを共通言語にしていけるか。Salesforce Tableau事業として、この重要な課題の解決に注力していく」(佐藤氏、図2)
図2:データプロフェッショナル、コンシューマーそれぞれの業務領域(出典:Salesforce)拡大画像表示
米Tableauのシニアバイスプレジデント 兼 ジェネラルマネージャーのペドロ・アレヤノ(Pedro Arellano)氏(写真2)は、「なぜ自組織がデータドリブンに到達できないのか、データが十分に活用されていない状況が続くのか。そこには、データの信頼、正確性の欠如、得られたデータの活用が不十分、ラストマイルの限界といった課題が存在している」と指摘した。
写真2:Salesforce Tableauシニアバイスプレジデント 兼 ジェネラルマネージャーのペドロ・アレヤノ氏そのうえでアレヤノ氏は、課題を解決し、真の意味でデータドリブンな組織になるためのキーワードとして、「完全で信頼性の高いビュー」「ビジネスユーザーの関与」「アクションに結び付くインテリジェンス」の3つを示した。
同氏は、業務にデータが必要であるビジネスユーザーは増加しているが、既存のBIツールではデータの価値を見出すことに困難を覚えるユーザーが多いとして、「ビジネスユーザーは別にデータの探索や分析がしたいわけではない。あくまでもデータを利用する、データコンシューマーという立場で有用なインサイトを求めている」と指摘。そういったニーズに対し、「インサイトを生み出すプラットフォームは包括的で、信頼性の高いデータであることが重要。また、生み出されるインサイトはビジネスコンシューマーが受け取りやすい形になっている必要がある」(同氏)という。
●Next:Salesforce上で直接Tableauを活用できる新機能
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