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サミット、作業割当表の作成を数理最適化アルゴリズムで支援、全122店舗で稼働

2023年3月24日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

スーパーマーケットチェーンを運営するサミット(本社:東京都杉並区)は、作業割当表の作成を数理最適化アルゴリズムで支援するシステムを開発した。2022年9月に6店舗での試験導入を開始しており、2023年4月にはサミット全122店舗への導入が完了する。システムを共同開発したPKSHA Technologyが2023年3月24日に発表した。

 首都圏でスーパーマーケットチェーンを運営するサミットは、作業割当表の作成を数理最適化アルゴリズムで支援するシステムを開発した。2022年9月に6店舗での試験導入を開始しており、2023年4月にはサミット全122店舗への導入が完了する(図1)。

図1:サミットは、作業割当表の作成をコンピュータアルゴリズムで支援するシステムを全店舗に導入する(出典:PKSHA Technology)
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作業割当表の作成に1日30分から1時間かかっていた

 首都圏にスーパーマーケットを122店舗(2023年3月時点)展開するサミットでは、アルバイトとパートを含め、従業員約1万8000人が勤務している。同社は、1985年に独自の人材配置システムを導入。前月に予測した売上計画に必要な作業量の基準値に対して、スキルに応じて人員を配置してきた。約200の作業項目や優先度など各種の要素を考慮し、10分単位で作業を割り当てるという。

 ただし、その人材配置システムは、使いこなすことが難しかった。人材配置計画を立てるために必要な項目は、時間帯や作業区分、担当者、業務内容など多岐にわたっており、店舗責任者の経験値が必要だった。実態として、当日の人員稼働計画を、あるケースでは作成に30分から1時間もかかるなど、効率化が課題だったという。

アルゴリズムで作業割当表の作成を自動化

 今回、PKSHA Technologyとの共同開発で、人材配置表の作成に必要な項目をアルゴリズムに入力することで、作業割当ルールの適用を自動化した。膨大な組み合わせの中から、ある条件の下で目的関数を最大・最小にする解を求める数理最適化アルゴリズムを使う。

 出勤者、作業や時間帯ごとに設定した作業割当ルール、作業区分の優先順位、作業者の優先順位などの複数のパラメータからアウトプットする。開店から閉店までの10分刻みの作業割当表を数万通り作成した上で、最適な1パターンを推奨する。店舗責任者のリクエストとして、その日特有の条件を加味した出力も可能である。

 導入効果として、作業割当表の作成業務の95%を自動化した。1日30分から1時間を要していた作業時間を10分から20分程度へと短縮。年間では8万時間程度(人件費換算1.2億円相当)の業務削減効果を見込んでいる。また、2週間先まで作業割当表を作成できることから、出勤依頼や変形労働などの計画を早期に実行することで、特定の従業員に偏らない勤務シフトを組めるようになった。

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