NTTとNECは2023年4月6日、両社にNTTアノードエナジーとNECプラットフォームズを加えた4社で、環境負荷を低減する新たな取り組みに関して基本合意書を締結したと発表した。基本合意に基づき、NTTアノードエナジーがNECプラットフォームズ福島事業所に100%再生可能エネルギーを供給する。NECプラットフォームズは、こうして得た電力を使って、省電力技術を実装したネットワーク・情報処理基盤製品を製造する。
NTTとNECは、両社にNTTアノードエナジーとNECプラットフォームズを加えた4社で、環境負荷を低減する新たな取り組みに関して基本合意書を締結した。基本合意に基づき、NTTアノードエナジーがNECプラットフォームズ福島事業所に100%再生可能エネルギーを供給する。NECプラットフォームズは、こうして得た電力を使って、省電力技術を実装したネットワーク・情報処理基盤製品を製造する。実施方法や詳細については、各社にて協議のうえ、推進していく(図1)。
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現時点で計画している取り組みの概要は以下のとおり。
- 2024年度第1四半期開始を目指し、5G基地局などのネットワーク製品を製造するNECプラットフォームズ福島事業所に、100%再生可能エネルギーをNTTアノードエナジーが供給する。ここで供給する電力には、遠隔地の発電設備から一般送配電事業者の送配電網を介して直接送電されたとみなされるグリーン電力(太陽光、風力、バイオマスなど)が含まれる。
- NECプラットフォームズ福島事業所は、NTTアノードエナジーから供給を受けた生グリーン電力などを用い、省電力技術を実装したネットワーク・情報処理基盤であるIOWN(アイオン)製品を製造する。IOWNとは、APN(All-Photonics Network:全光ネットワーク)を中心とした先端技術を活用し、これまでよりも高速大容量な通信や膨大な計算リソースを提供可能なネットワーク・情報処理基盤構想のこと。
- サプライチェーンを含めた脱炭素への取り組みを共同して推進する。
背景として、世界的な潮流として企業に対する脱炭素および再生可能エネルギー利用への要求の高まりを挙げている。NTTは新環境エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」を、NECは「2050年を見据えた気候変動対策指針」を掲げており、グループ全体で持続可能な社会の実現に取り組んでいる。
今回の取り組みにより、NECグループの温室効果ガスScope2排出量(他社から供給される電気、熱、蒸気の使用にともなう間接排出量)の削減に加え、製品をグリーン化電力によって製造し供給することで、NTTグループのScope3排出量(事業者自らの排出とScope2排出を除いた、事業者の活動に関連する他社の排出)の削減を実現し、両社の環境経営を推進する。
NTTは、自身の環境負荷削減と合わせ、社会全体の環境負荷削減に貢献する取り組みも推進していく。低消費電力化が見込まれる、APNを中核に据えたネットワーク・情報処理基盤のIOWNについては、通信分野だけでなく、コンピュータなど各種産業分野に普及・拡大を進める。
IOWNを含めた通信サービスを構成する機器の調達については、NTTはサプライヤーに対して、「エネルギー効率改善に努め、エネルギー消費量と温室効果ガス排出量の継続的削減活動に取り組むとともに、使用するエネルギーを可能な限り再生可能エネルギーとしてもらうこと」を要請している。
一方、NECは、NECグループの各種工場に再生可能エネルギーの導入を積極的に推進していく。また、IOWN構想の基盤となるネットワーク製品の展開など、IOWN技術の社会実装を進める。