[調査・レポート]

国内ソフトウェア市場は2027年まで年平均6.7%で成長─IDC

2023年5月24日(水)IT Leaders編集部

IDC Japanは2023年5月23日、ソフトウェア市場の実績と予測を発表した。2022年の国内市場を、前年比13.9%増の4兆1548億6300万円と推定している。国内市場は2022年から2027年にかけて年平均6.7%で成長し、2027年には5兆7459億円に達すると予測している。

 IDC Japanは、ソフトウェア(パブリッククラウドサービスを含む)市場を、大分類市場(3種)、中分類市場(20種)、機能市場(78種)に分類して、ベンダー売上額の算出と市場予測を行っている。

 同社の市場予測によると、2022年の国内ソフトウェア市場は、前年比13.9%増の4兆1548億6300万円である。国内市場は2022年から2027年にかけて年平均6.7%で成長し、2027年には5兆7459億円に達すると予測している(図1)。

図1:国内ソフトウェア市場 予測、2023年~2027年(出典:IDC Japan)

 2022年の国内市場が堅調に成長した理由として同社は、2021年から続いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によってデジタルシフトが急速に進み、国内企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)進展のためのソフトウェア投資を押し上げたことを挙げている。

 なかでも、ポストCOVID-19のデジタルビジネス拡大に向けた投資や、非財務側面の強化による企業価値の拡大、サイバーセキュリティ/ガバナンス対策のためのソフトウェア投資が2022年後半に増加したことが成長の主な要因と同社は見る。また、パブリッククラウドサービスの売上が2022年に前年比29.1%増の1兆4058億円に達し、高い成長となった。

 IDCは、2022年のソフトウェア大分類市場のトレンドを以下のように推定している。

  1. アプリケーション開発/デプロイメント市場:前年比15.1%増、1兆358億円、データドリブン経営推進のためのAI/アナリティクス市場、データ管理市場の成長
  2. アプリケーション市場:前年比12.7%増、1兆7483億円、デジタルCX向上に向けたCRM市場およびコンテンツワークフロー管理市場の成長
  3. システムインフラストラクチャソフトウェア市場:前年比14.5%増、1兆3708億円、サイバーセキュリティ対策/デジタルトラスト向上に向けたセキュリティソフトウェア市場およびクラウド型ITシステム管理市場の成長

 IDCは上記の要因からソフトウェア投資は今後も継続するとして、2022年から2027年にかけて年平均6.7%で成長し、2027年には5兆7459億円に達すると予測している。ソフトウェア大分類それぞれの年平均成長率(2022年~2027年のCAGR)は、アプリケーション開発/デプロイメント市場が11.7%、アプリケーション市場が5.0%、システムインフラストラクチャソフトウェア市場が4.9%と算出している。

 今回の発表内容は、2023年5月発行の「IDC Worldwide Semiannual Software Tracker」に基づいている。同レポートは、日本を含むグローバル9地域におけるソフトウェア/パブリッククラウドサービス市場を対象に、2022年までのベンダー売上額実績と2023年~2027年の市場予測を掲載している。

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