デロイト トーマツ ミック経済研究所は2023年6月6日、ローコード/ノーコード開発ツールに関する市場調査の結果を発表した。ベンダー32社のローコード/ノーコード開発ツールの2020年度から2023年度までの出荷金額を基に、2026年度までの中期予測を含めて集計・分析した。aPaaS(クラウドサービス)、設計・コード生成型、業務アプリ実行エンジン型の3分野に分類し、各々の市場を考察している。
(2023/06/07 11:15 編集部よりお詫びと訂正)
掲載開始時のタイトルが「ローコード開発ツール市場は前年比140.9%」となっていましたが、「ノーコード開発ツール市場は前年比140.9%」の誤りです。お詫びして訂正いたします。
デロイト トーマツ ミック経済研究所は、ローコード/ノーコード開発ツールの市場を調査した。ベンダー32社のローコード/ノーコード開発ツールの2020年度から2023年度までの出荷金額を基に、2026年度までの中期予測を含めて集計・分析した。aPaaS(クラウドサービス)、設計・コード生成型、業務アプリ実行エンジン型の3分野に分類し、各々の市場を考察している。
調査した3分野を合計したローコード/ノーコード開発ツール市場は、2021年度が2322億円、2022年度は前年対比112.6%の2614億円だった。2023年度は同111.3%の2920億円を見込む(図1)。
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製品別に見た場合、ローコード開発ツール市場は、2021年度の実績が2234億円で対前年比128.0%、2022年度の実績は2490億円で同111.5%、2023年度の見込み額は2749億円で同110.4%である。
ローコード開発ツールは、ノーコード開発ツールと比較して拡張性が高く、複雑なシステムに対しても適用可能である。このため、NECや日立製作所といった大手SIベンダーのミッションクリティカル系のITプロジェクトでも利用されている。
ローコード開発ツールの導入が進んでいる分野の特徴として、内製化志向が強い企業を挙げている。内製化によって、より速くビジネスや業務に適合したアプリケーションを開発し、柔軟に機能を変更したいと考えるユーザーが増えているという。
「ただし、コーディングのプロフェッショナルでも利用できるように幅広い機能を備えているため、開発時にはプログラミングの基礎を理解する必要がある。この点が、ユーザーにとって障壁となっている。このため、伴走支援などカスタマーサクセスに注力するベンダーが増えている」(同社)
一方、ノーコード開発ツールの市場は、2021年度の実績が88億円で対前年比144.3%、2022年度の実績は124億円で同140.9%、2023年度の見込み額は161億円で同129.8%と急拡大している。
「ノーコード開発ツールはプログラミングの専門知識が不要で簡単にシステムを構築可能であり、現場主体の業務改善を支援するツールとして位置付けられる。このことから、引き続きノーコード開発ツールの需要は拡大していく見込みである」(同社)