[調査・レポート]

成長を続ける国内IoT市場、組立製造業や官公庁の需要が牽引─IDC

2023年6月8日(木)IT Leaders編集部

IDC Japanは2023年6月7日、国内におけるIoT製品市場の予測を発表した。ユーザー支出額における2022年の実績は5兆8177億円だった。2022年~2027年にかけては年間平均成長率(CAGR) 8.5%で成長し、2027年には8兆7461億円に達すると予測している。

 IDC Japanによると、国内IoT製品市場のユーザー支出額は、2022年の実績で5兆8177億円だった。2022年~2027年にかけて年間平均成長率(CAGR) 8.5%で成長し、2027年には8兆7461億円に達すると予測している(図1)。

図1:国内IoT市場における技術別の支出額。予測と支出額割合を2022年と2027年で比較した(出典:IDC Japan)
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 国内IoT市場における支出額を、技術グループとして「ハードウェア」「コネクティビティ(通信サービスなど)」「ソフトウェア」「サービス(導入、運用サービスなど)」の4つに分類すると、2027年までの5年間のCAGRはそれぞれ5.9%、4.6%、11.8%、10.9%である。ソフトウェアのCAGRが最も高い。

 「ソフトウェアを産業分野別に見ると、製造/資源セクターにおいて、既存のオンプレミスで運用していたIoT利用環境のクラウド移行や、新規にIoTクラウド基盤を導入するケースが増えている。また、流通/サービスセクターのIoTシステム上では、在庫管理の最適化や顧客購買行動分析を目的とした分析ソフトウェアへの支出が加速する」(同社)

 産業分野別にIoT市場を見ると、支出額が多い分野は、組立製造、官公庁、プロセス製造だった。このうち、組立製造、プロセス製造の分野では、ITベンダーが中心となり、IoT用途のソフトウェア群を共通基盤化し、製造業を対象とした産業特化型のIoT基盤やサービスを提供する事例が増えている。

 加えて、OPC UA(Object linking and embedding for Process Control Unified Architecture)やCIOF(Connected Industries Open Framework)といった標準規格や連携基盤の普及によって、産業IoTの分野で課題となっているメーカー固有機器/システム間のデータ連携の困難さが緩和するという。

 「これらの活用によって製造業向けIoTサービスの選択肢が多様化し、製造業ユーザーが工場内の業務効率化やコストの削減を容易に実現する環境が整い、組立製造、プロセス製造でのユーザー支出額は今後も大きく成長する」(同社)

 今回の発表は、IDC Japanの「国内IoT市場 産業分野別 テクノロジー別予測、 2023年~2027年」で詳細を報告している。同レポートでは、国内IoT市場全体に関する考察のほか、12業種の産業分野を製造/資源、流通/サービス、公共/インフラ/金融の3つのセクターに分類し、それぞれ産業分野/ユースケース別、テクノロジー別に考察している。

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