Sansanは2023年7月20日、請求書管理クラウドサービス「Bill One」に、請求書と発注内容を照合する「発注データ照合オプション」を追加したと発表した。あらかじめ発注データをBill Oneにアップロードして取り込むことで、Bill One上で発注内容と請求書情報を照合できるようになる。製造業、建設業、小売業、卸売業などの活用を想定しているという。
Sansanの「Bill One」は、郵送で届く紙の請求書や、メールの添付ファイルとして受信したPDF形式の請求書など、各種の請求書をオンラインで受領してデータ化するサービスである。AI-OCR(光学文字認識)とオペレーターによる文字入力を併用してデータ化する(関連記事:請求書管理クラウド「Bill One」、2023年春にPeppol形式のデジタル請求書を受領可能に)。
今回、請求書と発注内容を照合する「発注データ照合オプション」を追加した。あらかじめ発注データのCSV(カンマ区切り形式)ファイルをBill Oneに取り込んでおくことで、Bill One上で発注内容と請求書情報を照合できるようになる。請求書の受領時に必ず発生する確認作業をBill One上で行うことで、月次決算の負荷が下がる。
まずは、Bill Oneの画面を見ながら、発注データの明細行ごとに手動で照合する機能を提供開始した(図1)。
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2023年夏頃には、発注データと請求書の総額を自動で照合する機能も実装する予定である(図2)。取引先名や請求金額が一致する発注データを検索して照合する。これにより、請求書と発注データの照合にかかる作業時間を削減する。
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同機能は主に、製造業、建設業、小売業、卸売業などでの活用を想定している。これらの企業では、商品やサービスの購入にあたり、発注日や金額、取引先などの情報を発注データとして管理している。複数の取引先から部品や原材料を購入するにあたって、いつどこで何を購入したかを記録することで、在庫管理に役立てている。
これらの企業では、支払いを行う前に、発注データと請求書の内容が合致しているかどうかを確認する照合作業を行っている。発注データと請求書は通常別々に管理しているため、発注データにひも付いた請求書を探す作業に時間を費やしている。確認漏れや確認ミスも発生する。また、納品月のずれや納品数のミスが発生した場合、発注データと請求書の日付や金額が一致せず、照合作業が複雑化し、業務工数がさらに増えるケースもある。