[市場動向]

運輸・物流・小売業界が抱える課題、問われるテクノロジー活用の巧拙─Zebra Technologies

2023年11月21日(火)神 幸葉(IT Leaders編集部)

種々の要因が起こすサプライチェーンの混乱、慢性的な労働力不足、消費者ニーズの変化……企業を取り巻く事業環境は厳しく、常に変動している。運輸・物流・在庫の最適化ソリューションなどを提供する米Zebra Technologies(ゼブラ・テクノロジーズ)は、変革にはサプライチェーンの可視化をはじめとするテクノロジーの高度な活用が不可欠だと説いている。

運輸・物流業界の課題と重要な観点

 米Zebra Technologies(日本法人:ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパン)は、運輸・物流業界のの変革を支援する過程で、重要な観点として以下の3つの視点を挙げている。

運輸・物流業界の主な課題と解決策

 運輸・物流業界は、B2B2C(Business to Business to Consumer:企業/一般消費者間に仲介企業が入る取引形態)または直接的なB2Cに移行しつつある。そんな中で荷主は過剰な在庫を抱え、輸送業者は人手不足のため顧客ニーズに対応できずにいるとゼブラは指摘。現在の長距離輸送の問題に対する解決策として、貨物スペースの有効活用、高度な在庫予測・計画ソリューションの採用、インセンティブとトレーニングプログラムの提供による積極的な人材確保、代替となる港・航空貨物ハブ、追跡ルートの開拓、労働力とサプライチェーン全体の作業スケジュールの再調整などを挙げている。

先進企業が試みるリアルタイムな物流可視化

 運輸・物流業では今後、顧客やパートナー企業からすべての中継地で状況把握を求められるようになると同社は見ている。「何が、なぜ起きていて、どうすればよいのかを共に理解する」ために、AIやマシンラーニング(機械学習)、RFID、電子データロガー、その他の視覚・追跡技術の活用が求められているという。

 先進的な企業はすでに、積み下ろし現場でこうした技術の導入を試みている。ゼブラは、米フォーカイツ(FourKites)の物流可視化プラットフォーム「FourKites」(画面1)を例に挙げ、「サプライチェーンの動きを“航空管制的”に把握できるプラットフォームは、契約内容を履行し、納期を守るための事実上の業界標準となるだろう」との見解を示す。今後は運輸・物流の調整とSCM(サプライチェーン管理)がシンプルに、かつ、ある程度まで自動化される見通しだという。

画面1:物流可視化プラットフォーム「FourKites」の画面例(出典:三井情報)
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ニーズに応じラストマイルの新たな配送モデルが登場

 顧客に商品を届ける物流の最終区間であるラストマイル(ラストワンマイル)において、配送に複数の雇用モデルを採用する企業が増えるとゼブラは予測している。「最も伸びているのは、柔軟に稼働できる時給制の配送業者へのアウトソーシングだが、外部委託料の負担、顧客体験の毀損などのリスクがある」(同社)。そこで、ギグエコノミーに委ねていたサービスを自社に戻そうとする動きが進む可能性もあるという。

 ゼブラは、実店舗からの配送、メーカーや卸売業者からの配送(ドロップシッピング)、そして顧客の自宅までの配達を担う新しい輸送手段(カーゴバイク、電気自動車、自律型ポッド)がラストマイル配送を強化すると見ている。

●Next:小売業が再考すべき効率性、柔軟性、レジリエンス─具体策は?

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